2001年5月前半の日記
←5月後半の日記へ   ↑2001年の日記へ   4月後半の日記へ→

5月13日(日)
先月末からかかりきりになっているPlayStation版「ToHeart」のプレイも、いよいよラストスパートに入りました。
もっとも昨日はゲームプレイではなくて、プレイ中にいくつか思いついたネタを文章化して打鍵する方に熱中していましたが。
ともあれ残ったキャラは来栖川綾香1人です。どうもPlayStation版ToHeartの情報サイトを見て回ったところでは、PlayStationを買う前からの私の予想に反して、セリオのオリジナルシナリオというのは追加されていないようです。
ここまで来ればあと一息なのですが、どうも芹香シナリオから綾香シナリオへの乗り換え地点が自力では解明できないので、さっさと情報サイトの助けを仰ぐことにしました。
人類が、生物学的には考えられないほどの短期間でこれほどの文明を築くことができたのは、言語と文字の発明によって情報の共有が可能になり、後天的に獲得する知識の圧倒的大部分を、試行錯誤せずに他人から譲り受けることができるようになったからです。私もその人類の一員なのですから、他人が獲得して公開してくれている情報を譲り受けるのをためらう必要はありません──なんて大仰なことを言わなくても、要は楽してエンディングを見たいと白状すればいいのに。 綾香シナリオは終盤に入ってもあまり起伏がなく、しかも他のシナリオと違って、最終日にゴールインの成否を直接決定するクリティカルな選択がない(つまり4月23日に綾香に会えばそれでゴールインが決定する)ということもあって、ゲーム的には割と軽いシナリオであるような気がしますが、ストーリーとしては無理がなく、綾香というキャラクターにも好感が持てます。
それからセリオですが、綾香シナリオの脇役と言っていいでしょう。相変わらずの無表情ぶりは(感情機能を持っていないのですから致し方ありませんが)、情緒過多気味のマルチとは好対照です。もちろん、マルチシナリオのエンディングのような、セリオと愛の絆で結ばれるエンディングが用意されているわけではありません。
そうするといったい何が、あれほどのセリオ人気をもたらしたのか、どうもよくわからないのですが、一つの可能性は、セリオの声を当てた根谷美智子さんが、セリオのキャラクターにぴったりのはまり役だったことではないかと思います。
いくら感情のないロボットだからといって、いかにも合成音声という感じの、留守番電話の応答メッセージみたいな声で喋られたら、きっとたいていのプレイヤーは萎えます。
感情を表さず、しかも無機的でも合成音声的でもない声で喋るというのは、相当実力のある声優でないと難しいでしょう。
それともう一つの可能性は、上に書いた「感情のないロボット」と矛盾しますが、実はセリオにもわずかながら感情機能があるのではないか、ということです。
Windows版、およびPlayStation版でもWindows版からほとんど変更されていない、マルチシナリオにセリオが登場する場面では、セリオは本当に無感情です。しかし綾香シナリオをよく読むと、ところどころに
「表情は変わらないものの、なんだかセリオは照れているようにも見えた。」(4月17日)
「『おう、セリオ。今日も美人だな』『……』セリオはちょっぴり照れた──ような気がした。」(4月19日)
というような場面があります。
無表情な仮面の下に隠された微かな、表現する術すら持たない感情の動き──これが、想像以上に多くのプレイヤーの琴線に触れたのかもしれません。
感情表現の乏しいキャラクターというのは、実はLeafの歴代ゲームに登場しているのです。
「雫」の月島瑠璃子、「痕」の柏木楓、そしてオリジナルのWindows版ToHeartの来栖川芹香。
別のメーカーのソフトにも、最後まで笑うことのない「Kanon」の川澄舞、ちょっと特殊な設定を帯びている「星空☆ぷらねっと」の藤原佳多奈といった、この系列に属しそうなキャラクターが登場しているのを見ると、最近はこの手のキャラクターが流行しているのだろうかと思います。
(5月17日アップ)

5月12日(土)
日付順の更新を乱す形になってしまいますが、ちょっと考えさせられることがあったのでアップします。
前に書いたように私はMSNの一サービスであるhotmailにもメールアカウントを持っていますが、今日の昼間ネットに接続すると、新着メールがあるというメッセージが出ました。
メールそのものはただのゴミメールだったので、即座に削除するとともに、その送信者からのメールを受信しないよう設定するだけでしたが、hotmailメールサービスからサインアウトすると、MSNのトップページへ行くようになっています。
MSNのトップページでは随時テーマを変えてアンケートを実施していますが、今のアンケートのテーマは という、どえらくヘビーなテーマです。興味がお有りの方はご覧になってください。
この問いに私ならどう答えるか、なかなか回答が見つかりませんが、アンケートの途中経過を見ていて、やっぱりと思ったのは、「法律で罰せられるから」と答えるとした人が少ないことです。
私が思うにこの答えは、今の日本ではほとんど説得力がありません。
なぜなら、人を殺した者を「法律で罰する」ところの日本国政府自身が、法律の名の下に「死刑」という、国家による殺人を行っているからです。
この文章をお読みになっている方の中にも、10代の頃、大人に「子供は酒を飲んではいけない、タバコを吸ってはいけない」と言われた時、「大人は酒を飲んでいるじゃないか、タバコを吸っているじゃないか」と反論した方がいるのではないでしょうか?
それと同じ論法です。「人を殺すと法律で罰せられるから」という人は、「国家が法律の名の下に死刑を行っているではないか」という反論に耐える理論武装ができるでしょうか。

私が死刑制度廃止を主張していると誤解されることのないように言明しておきますが、私は死刑制度を支持しています。
その理由を簡単に言えば(この論法は殺人罪に限定されるのですが、現実に最近の日本で死刑判決が下されるのは、殺人罪の中でも特に罪状重大な事案に限られていますから、現実的には論法の破綻はないと思います)、
「人の命はかけがえのない、等しく尊重されるべき物である。従って、他人の命を害した者は自らの命によって償うべきである」ということです。
死刑制度廃止を主張する理由として、「人の命はかけがえのない、等しく尊重されるべき物である」に続けて「だから殺人者の命は尊重されるべきである」と言う人がいます。私にはその論法は、被害者の命は殺人者の命より軽いと言っているようにしか解釈できないのですが、私は間違っていますか?

5月11日(金)
さて宮内レミィとゴールインしたことで、当初からのメインキャラである8人とは全員エンディングを迎えました。
となれば次は、2人の隠しキャラ、すなわち神岸あかりのシナリオを終了して来栖川芹香狙いのプレイを始めた時から姿が見え始めていた雛山理緒と、松原葵のシナリオを終えた後で姿を現した来栖川綾香を目指します。と言っても実際には8日頃から、レミィとのゴールインを目指したプレイに煮詰まりながら、同時進行でこの2人の様子見プレイをしていましたが。
(この2人はマニュアルに載っていない隠しキャラですから、徹底的にネタバレを防止するとしたら2人に関する記述をすべて隠しテキストにしなければなりませんが、そうすると今日の項が全部隠しテキストになってしまいますから、プレイ上特に重要な箇所以外は隠しテキストにせずに書くことにします)
まず理緒ですが、Windows版のシナリオは乱暴に要約すると弟の誕生日のプレゼントにと買った玩具を紛失した理緒に、佐藤雅史から同じ玩具を譲り受けた主人公が譲ってやり、そのことに気づいた理緒が主人公に肉体を差し出すという、仮にもしPlayStationが「合意の上での18禁シーン」OKだったとしても、ちょっとこのままでは移植できそうにないほど反道徳的なシナリオです。
さすがにこれでは移植できませんし、量的にも他のキャラのシナリオに比べて貧弱すぎて遜色があると感じられるので、PlayStationへの移植に際しては長岡志保・姫川琴音・宮内レミィと同様、シナリオが大幅に変わっているものと予想します。
そう予想した最初の根拠は、プレイ中で理緒が最初に姿を現すのがWindows版の3月8日の朝(選択なし)から、3月6日の朝下駄箱に手紙が入っていて、その日の放課後に手紙の主に会いに行くか行かないかの選択があり、会いに行くと理緒に出会う(ですから会いに行かなければそれでさようならです)ように変わっていたことです。
だとすると、PlayStation移植に際してシナリオが変わったキャラに共通する注意点、すなわち序盤の1つの選択ミスで佐藤雅史エンドが確定する可能性が高いことを念頭に置いて、慎重にプレイしなければなりません。
途中では、いかにも移植に際してシナリオを膨らませた時に添加されたようなエピソード(琴音もそうですが、このニュアンスは文章での説明がちょっと難しく、Windows版とPlayStation版の両方をプレイして感じ取っていただくしかないのですが)、すなわち理緒の前世がマリー・アントワネットであると言われたというエピソードや、春休み中に運送屋のアルバイトをしている理緒に主人公が声を掛けるイベントがありますが、ここらの選択がクリティカルであるかどうかは明らかにできませんでした──というのも、情報サイトに頼ることなく初回プレイで、4月29日理緒と首尾よくゴールインしたからです。
エンディングを迎えてから思うに、この理緒は葵とはまた別の意味で、最もプレイヤーの共感を呼びそうなキャラです。葵のように美点が光るというのではなく、それどころかギャルゲーの古典的ヒロインキャラの役目を担わせるには、古典的ヒロインキャラが備えているべきいわゆる典型的な美点がほとんど見当たらないくらいなのですが、「転んでも怪我しない頑丈な体だけが取り柄」と冗談めかして言いながら、家計を助けるためにアルバイトに明け暮れる姿、そして昨年のクリスマスの日にケーキ売りのアルバイトをしていた時が主人公とのなれそめで、それ以来ずっと主人公に憧れとほのかな恋心を抱いていたという姿は、多くのプレイヤーには、最も等身大に近い存在であろうかと思います。

次は綾香です。綾香は葵シナリオのキーパーソンで、葵シナリオを終了して初めて、独自のシナリオを持ったゴールイン可能なキャラとしての姿を現しましたが、葵シナリオとは全く別に、芹香シナリオの途中で一度だけ姿を現します。
ですから厳密なゲーム分析を行おうとすれば、そもそも綾香がゴールイン可能なキャラとして出現するための必要条件は、葵シナリオを終了することだけなのか、それとも芹香シナリオを終了することも必要条件なのか、を検討する必要がありますが、それをやるにはメモリカードを初期化しなければならないでしょうから、それはやらないことにします。
理緒と綾香の2人を目指した初プレイは、上に書いたように理緒とゴールインしましたが、理緒シナリオを終了するずっと前、4月20日頃には、綾香への道が閉ざされたのを悟りました。琴音を目指して失敗した時もそうでしたが、その頃から全然姿が見えなくなるのです。
ある日を境に全く姿が見えなくなる方が、志保やレミィを目指して失敗した時の終盤のように、出会いはするけれど仲が進展している実感が全然湧かない会話ばかりを続けて、最終的に雅史エンドに遭遇するよりも、ある意味では親切と言えるでしょう、早々とやり直しに踏み切れますから。
そうすると可能性としては、綾香は3月11日に初めて姿を現した後、4月11日まで全く姿が見えなくなりますが、その間に芹香シナリオを進めておく必要があるか、あるいは綾香に再会する直前の4月10日から葵シナリオに入り、綾香と葵を同時進行で進めていく必要があるか、どちらかが考えられます。
葵は週6日のうち4日を拘束される、最も二股がけの難しいキャラですから、葵と同時進行する必要があるとは幾分考えにくいと判断して、4月10日までは芹香を進めることにしました。
ところがそうやってプレイしていっても、芹香のシナリオはどんどん進んでいくのに綾香は依然として姿が見えず、結局は芹香エンドでした。
雅史エンドよりはましだったと言えそうですが(この発言、一部に敵を作る恐れなしとせず)、芹香シナリオから綾香シナリオへの乗り換えを成功させるためには、どこかに重要な分岐点があるようです。
とりあえずここまでにしておきます。
(5月16日アップ)

5月8日(火)〜10日(木)
いろいろとあって、日記の更新がかなり遅れています。
今週末(19日から21日まで)自宅を離れる予定なので、更新はさらに遅れる見込みです。
まあ、気長に待っていてください……。
相変わらず帰宅後はPlayStation版「ToHeart」にのめり込んでいます。
昨日の項にも書きましたが、宮内レミィとゴールインするために最も重要な分岐点がどこにあるのか、自分なりにいくら考えても、どうしてもわかりません。
そこでここは、まずは先人の跡をたどってみようと、情報サイトに公開されていたチャートの通りに3月3日からプレイしてみます。それで何か、昨日私がプレイしていた時(=佐藤雅史エンド)と違うイベントが途中で出現すれば、そのイベントの発生条件を分析できるかもしれません。
10日までかかって、やっとレミィとゴールインしました。
PlayStation版のシナリオ終盤は、Windows版から大きく変更されていて、Windows版には登場しなかったレミィの家族たちも登場してきます。18禁シーンを入れられない分、他の面でシナリオの拡充を図ったのでしょうが、この場面の登場人物が多すぎて、セリフのやりとりが冗長気味に感じられました。
これもPlayStationならではの表現規制かと思ったのは、Windows版ではエンディングにもあった、弓を手にしたレミィが狩猟者の本能に目覚めて主人公に矢を向ける場面が削除されていることです。ゲーム中の一イベントとしてはともかくエンディングで、レミィに何かが憑いたような場面を見せられることには、Windows版をプレイしていた当時から幾分引いていたものでした。
(5月16日アップ)

5月7日(月)
連休が終わりましたが、昨日回復基調に乗ったはずの体調が、また悪化してきました。今度は喉に来ています。
リレーSSの担当を一日早く済ませたので、緊張が緩んだのでしょうか。
しかしそうだとすると、連休中はリレーSSのために緊張が持続していて、連休が終わって通常勤務に戻ると緊張が緩むということは、緊張感を保つ対象としての順位が、勤務の方がリレーSSよりも下位にあるということになります。

夜はPlayStation版「ToHeart」を再開します。順番がおかしい気がしますが次は宮内レミィ。
しかしWindows版をプレイした時のやり方で、最初からレミィだけを追いかけていくと、終盤にはけっこう頻繁に出会っているのにシナリオが進む様子がないまま、またもや佐藤雅史エンドにぶち当たりました。
レミィもWindows版とPlayStation版でシナリオが変わっている気配があるので、そうだとすれば長岡志保シナリオや姫川琴音シナリオと同様、序盤から中盤にかけての会話中の三択が雅史エンドに直結している可能性がありますから、そのあたりを慎重に吟味し、情報サイトのチャートとも比較検討してみましたが、情報サイトに掲載されているスケジュールと私がプレイしたスケジュール記録にずれがあるのはわかるものの、そのずれの原因がどこにあるのか、どうしても明らかにできません。

そんなことをしているうちに、何とも気の早い話ですが、次回またはもっと後の回のリレーSSに使えそうなプロットが浮かんできました。
リレーSSの中の季節は、もうすぐ冬になります。冬になると、そろそろ結末に向けて主人公を取り巻く女性たちのせめぎ合いが本格化してきます。
その過程では、主人公に対する不安感と不信感を、些細なことから一挙に暴発させる女性がいるかもしれません。何しろ恋とは熱病にして狂気なのですから、正気な人間には理解できないことがいつ起こっても不思議ではありません。
思いついたプロットが、実際に次回の担当の時に使えるかどうかはわかりませんが、書き留めておかずに忘れてしまったら二度と思い出せないかもしれませんから、すぐに手許の日記帳に書き留めておきます。

5月6日(日)
昨日は晴天の下どこへも出かけず、ゲームもせず、一日中ウェブ日記を打鍵しながら漫然と寝たり起きたりしていましたが、午前4時までチャットしたにもかかわらず今朝の目覚めはよく、体調も回復してきました。
体調が良くなると頭の回転も(電波の受信性能も?)良くなるらしく、起きてからいくらも経たずにリレーSSのプロットが浮かびました。
今度のプロットも、学園物のラブコメにはありがちなプロットです。
今回は前回よりはオリジナリティがありますが、まともに書いていたら100ラインを遙かに超過するのは必定なので、なるべく軽く書き流すつもりです。

ウェブ日記を打鍵しながらリレーSSのプロットを頭の中で練り、日記の打鍵が終わってから本格的にリレーSSの打鍵を始めると、これが思ったより好調で、大河ドラマの始まる前に本文が完成してしまいました。
そこで夜になってから若干の推敲を行って、期限には一昼夜以上も時間がありますが、さっさと投稿してしまうことにしました。
私としては今回初めて、エピソードを完結させず、次の担当者に「投げる」形で終わらせてみました。次の担当者が、どういう解決の仕方をするか、ゆっくり拝見させてもらいましょう。

5月5日(土)
もう5月だというのに、布団を掛けないで寝ていたせいか、起きると風邪気味です。とにかく起きて巡回します。
毎度おなじみ「そこつやの館」の下級生リレーSSは、前回の順番替え後2巡するのでまた順番を変える、その要領は前回と同じく各自が希望する順番を表明する、期限は5月10日の午後12時、ということになっていました。
でしたが「そこつやの館」へ行ってみると、現在の順番で最後の担当者である雅丸さんの担当分が5日の午前0時過ぎに投稿されていました。そして主催者のそこつやさんからは、まだ順番の希望を表明していなかった私に、また1番に立候補するかどうかの打診がありました。
ここまで円滑に進んできたリレーですが、私が1番に立候補しなかったら流れが滞るか、その点は私が立候補しなければそこつやさんが1番を引き受けるということでしたが、1番を辞退して下手に後の方の順番に立候補した場合、前の担当者の終わらせ方次第では続きを書くのに七転八倒する羽目になります。
それよりは、前回担当した時と同じように、今回も雅丸さんがストーリーを一区切り付ける形で担当を終えていましたから、その後を受けて1番に立候補し、新しいストーリーを始めるフリーハンドを握った方が、少なくとも今回だけは書きやすい、と判断します。
しかしその反面、今は心身共に絶不調です。1番に立候補したとしても打鍵できるかどうか定かでないのに立候補して、体調不良で打鍵できなくてパスしてしまったら、これも無責任な話です。
しばらく逡巡しましたが、腹をくくってまた1番に立候補しました。この連休中にPlayStation版「ToHeart」を終わらせたいのは山々ですが、今日と明日はリレーSSに力を割くことにします。
いや、それよりも風邪を治すのが先決ですか……。
(5月6日アップ)

5月4日(金)
引き続きPlayStation版「ToHeart」です。今日は姫川琴音の番。
他のキャラを目標にして進めていても、4月11日に不可避のイベントがあって必ず琴音に出会うことになっていますが、その場面からしてWindows版とはセリフが異なります。
そこから先のシナリオもWindows版とは少し流れが違うらしい、と感じながらプレイを進めてきましたが、4月24日を最後に話が進まなくなって、5月2日には佐藤雅史エンドでした。
どこで間違えたのか、昼日中からネットにつないでPlayStation版ToHeartの情報サイトにアクセスし、手許の記録をチャートと突き合わせてみると、これも長岡志保シナリオと同じで、序盤の会話中にクリティカルな選択があったようです。 エンディングを迎えてから振り返ってみると、琴音シナリオは今までプレイした7人のシナリオ(神岸あかり・来栖川芹香・保科智子・志保・葵・マルチ・琴音)の中ではWindows版からの改変が最も大きく、ほぼ別のシナリオになっている感触があります。
その中にはファンサイトの二次創作によく見かける、北海道は函館の出身であるとか、じゃがバタが好物であるとか、動物なかんずくイルカが好きであるといった、微笑ましい拡張設定が見受けられました。これらはまあ、それなりに楽しめるのですが、シナリオの本筋に関して言うと、「シナリオを書き直すことに決まったのなら、この際思い切って」という意気込みが強すぎたというのか、Windows版からほとんど変わっていない、志保以外の5人のシナリオに比べて、いささか異質な感じがあります。うまく表現できないのですが、私の知っているSS作家の作品の、途中を一部修正した部分を、他のSS作家の人が「文章に温度差がある」と評していた、それに近い感じです。

夕方、新潟市へ、ロックバンドのライブを聴きに行きました。
4月1日H.Saitouさんのライブを聴きに行った時に紹介されたBaby★Babaさんが主催するライブで、東京から来たバンドも出演するという案内をBaby★Babaさんから頂いていたものです。
会場は新潟市の古い繁華街のやや場末にあるライブハウス。狭い階段を登りつめた屋根裏部屋のような一角で、20人も入れば満員になる客席に椅子はなく、聴衆の客層は私が何度も行くクラシックコンサートとは異なります。
やがて始まるロックバンドの演奏については……多くは語りますまい。
今夜のライブは、私の内部ではあくまでも「経験」であって、それを越えることは決してないでしょう。
帰ってくるなり深い疲労感に包まれて、ネット活動を何一つせずに寝ました。
(5月6日アップ)

5月3日(木)
私の職場は、今日から4連休になります。そこでこの連休はゲーム三昧を決め込むことにして、引き続きPlayStation版「ToHeart」をプレイします。
4月29日に長岡志保とゴールインしたので、順番から行くと次は松原葵です。葵はゲーム後半、4月10日斜体の日付はゲーム中の日付)から登場するので、志保を目標にしてプレイしてきたセーブデータの系列の、4月9日のデータから開始します。
攻略本に載っているWindows版の要領と同じく、とにかく毎日葵に会っていれば自然にストーリーが進んでいくので、ゴールインまでの道筋は割と単純である反面、他のキャラと二股をかけるのはかなり難しいでしょう。
朝からプレイしていて、昼過ぎには葵とゴールインしました。Windows版をプレイした時には、最後のHシーンがどうにも見ていられず、その少し前4月29日に坂下と対決して勝利を収めた時点)で終わらせてしまっても何ら差し支えはないのではないかと思ったくらいでしたが、今PlayStation版をプレイしてみると、エンディング直前の場面は葵の心境の変化をプレイヤーに伝えるために必要だったと思います。
つまり高校に入学して主人公と出会う前の葵は、独りでトレーニングすることを当然のこととしていたのに、ゴールデンウィークとそれに続く、主人公が修学旅行に行っている間、独りでトレーニングしていても全然身が入らなかった。それはなぜかというに、主人公に対する恋慕の情が日一日と高じていったからだと。この叙述は必要だったでしょう。
今回のプレイで、私の中での葵の順位が急上昇しました。格闘技の強豪選手に憧れて、たった一人で同好会を旗揚げし、同門の先輩との衝突を乗り越えて、憧れの選手に近づこうと邁進する。どんなトレーニングも苦にしない勤勉さと向上心の持ち主でありながら、プレッシャーに弱くて試合本番では実力を発揮できない弱さもある。実生活での私が持っていない、多くの人がそうありたいと願うような長所と、多くの人の共感を誘うような短所を持ち合わせた葵は、ギャルゲーやコミックスの典型的なヒロインがそうであるような、仮想現実の世界では理想的に見えても現実に存在していたら、女性の目からは最高に鼻持ちならない人物であるばかりでなく、男性もきっと誰一人として近づこうと思わないような人為的すぎるヒロイン──具体例がすぐには思いつきませんが──とは違って、現実に存在していたとしても、きっと男女両性に好感を持たれる人物でしょう。
ちょっと考えさせられたのは、武道としての精神修養の面から空手を捉え、ショーアップされたエクストリーム大会を批判する坂下と、最強の格闘技大会としてのエクストリームの可能性を信じ、旧態依然たる空手には衰退しかないとする来栖川綾香(葵が憧れる、エクストリームの高校チャンピオン)の対立です。私自身、どちらの立場を支持するかというのではなく、かつて「釧路戦記」の主人公に──この主人公の造形には、執筆当時の私の願望がいくらか入っていますが──空手を、精神修養でもなければ強くなる手段でもなく、単なる殺人の手段として使わせたことに、今となってみると後味の悪さが滲んできました。
順番から行くと次はマルチです。マルチもゲーム後半、4月12日から登場するキャラですが、来栖川芹香のシナリオが進んでいる場合にだけ見られるイベントがあるというので、メモリカードの表側、芹香を目標にプレイしてきた時のデータを呼び出して再開してみました。
ところが厄介なことになりました。本来PlayStationのメモリカードは1枚に15ブロックなのですが、最近はサードパーティから、スロットにカードを挿したままカード上のボタンで表裏を切り替えることによって、1枚に30ブロック分データを書き込めるカードが出ています。私が使っているのもそれなのですが、ToHeartの場合、「今までにどのイベントCGを見たか」という情報が、ブロック1から15までの個々のデータと別の場所に書き込まれているらしいです(仮にブロック0と呼びます。Windows版の場合も、「今までにどのイベントCGを見たか」という情報が保存されるファイルは、5つあるセーブデータとは別のファイルになっています)。
私の場合、律儀に毎日セーブしていたので、表側のブロック1からセーブしていったデータは片面15ブロックでは足りなくなって、志保の途中から裏側に移っていました。それで葵のエンディングに到達すると、「志保の後半と葵のイベントCGを見た」という情報は、カードの裏側のブロック0にだけ書き込まれています。そこへカードの表側から芹香の途中のデータを呼び出してくると、カードの表側のブロック0には「智子のイベントCGを見た」という情報までしか書き込まれていませんから、葵のエンディングを見た時点で本体のメモリ上にあるブロック0と一致しません。当然その点についてメッセージが出ますが、この時には状況を把握できていず、カードのブロック0でメモリのブロック0を上書きすると選択し、そしてそのデータをカードの裏側にセーブしました。
結果は……志保の後半と葵の全部、イベントCGを見ていないことになりました。
これではたまらないので、志保を冒頭から繰り返し、カードを裏返した状態でエンディングを見て(これでカードの裏側のブロック0に「志保のイベントCGを見た」という情報が書き込まれます)から、エンディング直前のデータをロードして、カードを表側に返し、またエンディングを見て、表側のブロック0にも「志保のイベントCGを見た」という情報を書き込みます。それからまたカードを裏側に返して、志保の途中のデータを読み出し、その状態で葵のエンディングまで流してから、またカードを表側に返して葵のエンディングを見て、表側のブロック0にも「葵のイベントCGを見た」という情報を書き込みます。この作業に、夕方までかかりました。
エンディングだけを見るといっても、これがまた面倒なことに、オープニングと違ってエンディングは途中でスキップできない仕様になっているようなのです。

そこまで済ませてからやっと、マルチにかかります。
マルチは登場からシナリオ終了まで1週間という、一番の短期決戦キャラなので、とにかく4月12日から19日までマルチにかかりきりになります。
そして狙い通りに芹香とマルチのイベントを経過して、4月20日にゴールインしました。Windows版ではシナリオ終了は19日でしたが、この1日の違いは、エンディング直前の最後のイベントの違いによるものです。
マルチのシナリオにも18禁シーンがないのはPlayStation版としては当然ですが、途中のイベントには一つ、気を遣いすぎたようなのがありました。図書室で充電中(スリープモード)のマルチが、主人公に頬を引っ張られて目を覚ました途端に安全回路が作動する場面です。Windows版では制服の上から胸を揉まれたために安全回路が作動するのですが、頬を引っ張られたくらいで安全回路が作動していては、保育所や小児病棟での使用には差し支えがあるのではないでしょうか?
Hシーン無しでマルチのシナリオを終えた後、パソコンを起動してWindows版のイベントCGを眺めていて感じましたが、どうもWindows版のHシーンのCGは、マルチ以外はですが破瓜の出血を強調しすぎている嫌いがあります。
マルチはロボットでありながら汗をかくそうですから、人間の血管系と同じように、皮膚のすぐ下に冷却液を循環する装置があるのだろうと思いますが、もし局部にその冷却液あるいは別の液体を溢出させる機構があったとしても、最初の時だけ赤く着色した液体を溢出させるようには作られていないのでしょう。そこまで生身の人間に似せて作ってあったら、かえっていやですね、私は。
しかしそこで、マルチシナリオの後日談、公園で鳩に餌をやっている男性が「仕事はみんなロボットに取られてしまった」と愚痴る場面から、しょうもない一発ギャグを思いつく次第です。

──ロボットの導入で解雇を言い渡された労働者が、ロボットたちに向かってこう叫ぶ。
「てめえらの血は、なに色だーーーっ!!」
(5月6日アップ)

5月2日(水)
この日の作業は、日記の更新だけです。それも5月1日の分までで力尽き、チャットルームにも行かずに寝ました。
(5月6日アップ)

5月1日(火)
連休の谷間の今日は、私の職場の労働組合はメーデーです。
昨年の今日、メーデーについて日記で触れた後、いつも巡回しているサイトの掲示板で、動員を容易にするために来年(つまり今年)からメーデーを前後の土日に移して開催するという記事を目にしました。
しかし組合によっては、メーデーを単なるお祭りではなく、その歴史的意義を重視して、5月1日に開催することに意義を見出している組合もあるようです。そういう組合では当然、動員率が下がろうがどうなろうが、従来通り5月1日に開催するわけです。夜になってから知りましたが、いわゆる連合では、県によって4月28日に開催したところと5月1日に開催したところがあったようです。
メーデーが「労働組合の集会」を意味するようになるよりもっと昔は、この日は豊饒を祈願する「春の祭典」(こう書くとまた別の物を連想させますが)の日だったそうです。
一年の始まりをいつにするかということについては、ずいぶん前にエイプリルフールと関連させて5号館に雑文を書いたことがありますが、ヨーロッパの中でも北寄りの地方では、春の訪れを実感できるのは春分からさらに1ヶ月以上経った頃だったのでしょうか。
日本でも、北海道では今頃から桜が咲き始めると聞きます。

夜、思い立ってブックマークの巡回を行ってみました。
すると、古い「同級生2」SSサイトとして前から注目していて、当サイトからもリンクしていたShinさんの「MY FAVORITES」がリニューアルされていましたが、残念ながら同級生2関係のコンテンツはサイトから撤去されていました。
そこで今夜の更新で、当サイトからのリンクを削除します。
他にもいくつか、同級生シリーズのコンテンツがあったサイトが閉鎖していました。
そうしたサイトの中には、かなり長い間更新された様子がなかったサイトもありますが、閉鎖されたりコンテンツが撤去されたりするくらいなら、いっそ全く更新されずに放置されていた方がまだましだった、というのは不適切な発言でしょうか。

リンクが減っていくだけでは面白くないので、新しいリンクを増やしていくことも考えます。
まず手始めに、PlayStation版「ToHeart」の制作元である(株)アクアプラスのホームページにリンクを張ります。
Windows版ToHeartの制作元であるLeafのホームページには、前からリンクを張ってありましたが、PlayStation版を買ったことでもあるし、利用規約の改訂と併せて実施します。
もっとも、Leafのソフトをお持ちの方はパッケージをよくご覧になっていただけばわかりますが、Leafは(株)アクアプラスのうち、Windows用のゲームを制作している一部門です。
あるいはブランド名かもしれません。「With You」をカクテルソフトの名前で出したエフアンドシー(株)は従来から「同窓会」「Natural」シリーズをフェアリーテールの名前で出していますし(F&Cの由来は明らかですね)、「同級生」シリーズを出した(株)エルフが新作「Flutter of Birds」をシルキーズの名前で出したように、この業界では1つの会社が別の名前でゲームソフトを発売するのは珍しくないようです。
(5月2日アップ)

ページのトップへ戻る

←5月後半の日記へ   ↑2001年の日記へ   4月後半の日記へ→