2003年5月後半の日記
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5月31日(土)
新しいパソコンの基本的なスペックと周辺機器の構成についての考えがだいたいまとまったので、善は急げと今日、ソフマップ新潟店へパソコンを買いに行きました。
まずケースのタイプですが、パソコンの周辺のスペースを考えると、今まで使っていたパソコン(幅20cm高さ34cm奥行き42cm、以下「2号機」)のようなタワー型を置く余裕はありません。一方、主たる用途の一つにCG制作があり、ディスプレイは17インチCRTがまだ充分現役で、そしてアパートは6畳一間なのでパソコンを持ち運ぶこともまず念頭に置く必要はないとすると、ノートパソコンも検討の対象から外れます。となると、ずっと昔に買ったPC9801(幅38cm高さ12cm奥行き37cm、以下「1号機」)がそうであったような横置きのデスクトップ型(置く場所は1号機の上)か、幅がタワーと同じくらいで奥行きが少し短く、高さはミニタワーの半分くらいのベアボーンキット(置く場所は2号機の上)になります。
それでまずベアボーンキットを検討してみましたが、そこに売っているベアボーンキットは、ケース・マザーボード・電源だけで28000円ぐらいします。これにCPU・メモリ・グラフィックカード・ハードディスク・ディスクドライブといったところを買い足していくと、満足ゆく性能のパソコンが組み上がるまでにはどれくらいの値段になるでしょうか。
それに対して、ディスプレイ以外のハードウェアが一通り揃っている、ソフマップオリジナルパソコンといって売っている既製品は、最も安いのが39800円からあります。ハードウェアに関する知識もろくにないのに、値段の高いキットを買うよりは、安い既製品を買った方がいいと思ったので、ベアボーンキットは止めて既製品を買うことにしました。
ソフマップオリジナルパソコンは、WindowsXP Home Editionがインストールされているバーガーパソコンと、Windowsは別売りの牛丼パソコンの2つの系列があります。いくらパソコンが安価で身近な商品になってきて、またその安さと手軽さを強調するネーミングだといっても、ここまで高級感が微塵もないネーミングをする感覚は、どんなもんだかなぁと思わずにはいられませんが、それはさておきこの2系列の中から選ぶことにします。その際の第一条件は「デスクトップ型であること」、それからハードディスクのバックアップはMOを止めてCD-RWにしたいので、ディスクドライブはCD-ROM・DVD-ROM・CD-R/RW兼用のコンボドライブであることを条件にして選んでみると、この2つが候補に挙がりました。
 ・テリヤキバーガー
 ・牛丼大盛
 Celeron2.0GHz
 Celeron2.0GHz
 ハードディスク80GB
 ハードディスク40GB
 WindowsXPつき
 Windowsなし
 67800円
 49800円
テリヤキバーガーは本来69999円だったのですが、バーガー・牛丼とも同じ名前でもっと性能の高い新型の系列が出ている(例えばチーズバーガーの旧型はCPUがCeleron1.80GHzなのに対して、新型はPentium4の2.40B GHz)のに、テリヤキバーガーは新型の系列が出ていず、店頭にあるこれは旧型、それも展示品1台の現品限りというので、少しだけ値引きになっていました。
WindowsXPの有無を別にすると、スペックの上での大きな差はハードディスクの容量で、そしてまたどちらもデスクトップ型なのでハードディスクの内部増設はできません。そうなると牛丼大盛の40GBはいかにも少ないので(2号機のハードディスクがすでに30GB埋まっていますから)、まず店員に、牛丼大盛の内蔵ハードディスクを80GBとか120GBに換えて、差額を上乗せして売ってくれるかと尋ねると、セット商品なのでそれは無理だと言います。
テリヤキバーガーについているWindowsXPですが、ソフマップ新潟店でそれを単品で買うと、正規版が23500円でアップグレード版が12500円です。私は2号機用にWindows98のOEM版を持っていますから、店員に次は、WindowsなしのテリヤキバーガーとWindowsXPのアップグレード版を一緒に買ったら正規版とアップグレード版の差額分値引きしてくれるかと尋ねると、これもOSはセットだから無理だと言われました。
こんな具合でなかなか私が一番安いと信じる買い物ができないものですが、どちらかのセットを買うものとしてちょっと計算してみると、牛丼大盛とWindowsXPのアップグレード版を買うと62300円になります。テリヤキバーガーとの差額が5500円で、それでハードディスクが40GBと80GB、しかもどちらも内部増設できませんから、今ついているハードディスクの容量の差が最後までついて回ることになるとすると……と考え、現品限りで少し値引きになっていたことにも惹かれて、テリヤキバーガーを買うことに決めました。
ハードディスクは内部増設できませんが、メモリは最初から搭載されているのが256MBで、最大2GBまで搭載可能ということなので、CGを快適に制作するにはどのくらいあったらいいのか見当がつきませんが、とりあえず256MBをもう1枚増設して512MBにすることにしました。このメモリの規格が、バーガーパソコンの新型の系列はDDR-SDRAM PC2700(333MHz)という規格なのに対して、テリヤキバーガーはPC2100(266MHz)という、少し低い規格になっていたようです。
3号機と名付けることにした新しいパソコンと2号機とは、昨夜のチャットで聞いたようにLANでつなぐことにしたので、インターネットにはADSLで接続している環境でパソコン同士をLANで接続するにはどんな周辺機器が必要になるか店員に尋ねて、店員が勧めたブロードバンドルータ(約4000円)と、長すぎないLANケーブルを買います。
それから、今2号機についている周辺機器は、SCSI接続のがスキャナとMOドライブ、USB接続のがタブレットとプリンタとデジカメ(USBのポートは2つなので、4つ口のハブを介してつないでいます)なのですが、3号機はハードディスクのバックアップにはCD-RWを使い、2号機とのデータのやりとりはLANを使うことにしたので、MOドライブを使う当てはなく、つまりSCSI接続の機器はスキャナだけになります。その1台だけのためにSCSIカードを入れるよりは、この際中古品でいいからUSB接続のスキャナに買い換えることにしました。前回来た時、今使っているSCSI接続のスキャナと同程度のUSB接続のスキャナの中古品を、二千円台で売っているのを見たからです。
実際に今日、中古品を見ると、今使っているスキャナより新しい型で解像度も高いUSB接続のスキャナの中古品を、5280円で売っていました。それでスキャナはこれに買い換えることにしましたが、今のスキャナを新品で買った時、いくらしたかは、思い出さない方が幸せになれるような気がしました。
デスクトップ型パソコン一式、A4のスキャナ、その他いろいろを買うと、自家用車なしで持ち帰れる荷物ではなくなったので、配達してもらうことにしましたが、遅い時間まで買い物をしている間に今日の配送便が出てしまったので、配達は明後日6月2日になりました。
(6月8日アップ)

5月30日(金)
昼間、職場の屋外にある物置にネズミが湧いているというので、私の他に数人がかりで物置の掃除をすることになりました。
ところが私の職場の女性たちときた日には、仔ネズミを見るたびに悲鳴をあげて物置から逃げ出す始末で、なかなか掃除が捗りません。ネズミの天敵というと昔なら猫ですが、最近の飼い猫が野生のネズミを捕ることができるとは思えないので、物置にネズミが出ないようにするならいっそシマヘビか青大将でも放してやったらどうだろうと思ったくらいですが、ネズミの代わりに蛇がいたのでは、女性陣にとっては小悪を除くために大悪を呼び込む──こういう意味の英語の表現を、どこかで読んだ気がするのですが思い出せません──ようなものでしょう。
そのうちに本当に、段ボール箱の中に大きな蛇がいると言って騒ぎ始めたので、前の職場でシマヘビを素手で掴んで逃がしたことがある私が、今度も素手で掴んで逃がしてやろうと向かっていきましたが、蛇にいくら眼(ガン)を飛ばしても逃げようとしないばかりか、尻尾で箱を叩くは、牙を剥いて威嚇するは、どうも前の時のシマヘビと様子が違います。そのうちに曖昧な記憶からふと思い当たったのは、今目の前にいる蛇はシマヘビではなくてマムシかヤマカガシではないか、ということでした。毒を持っていないシマヘビは、本来臆病な動物で、人間が恐れずに向かっていけば逃げるものだと思っていますが、人間に痛打を与えられるくらいの毒を持っている蛇は、それを自覚しているから人間を恐れないに違いない──と想像していくと、これは本当に、うかつに手を出すと非常に危険だと判断されたので、その箱には手を着けないことにしました。

新しいパソコンを買うことに踏み切ったので(その直接のきっかけとなったソフトがPhotoshopではなくて逆移植ゲームだというのが、私の「病膏肓に入る」ぶりを物語っていますが)、現状で「快適に走る」と言えるほどのパソコンを買うとしたらどういう点に注意したらいいかというようなことを、この夜のチャットで折しもパソコンのハードウェアの話題が出たので、居合わせたパソコンに詳しそうな人たちに尋ねてみました。
すると、どうもその人たちの間ではHT(HyperThreadingTechnology)対応のPentium4というハイエンドCPUが話題になっていたようで、先日ソフマップ新潟店で見てきて「CPUは値段的にこのくらいのを」と考えていたCeleronの2.0GHz(8000円台)のことを私が口にすると、「なんでそんな遅いCPUを買うのか、どうせならもっと速いのを買えばいいのに」という反応が返ってきました。
いくつかのパソコンショップのホームページのURLを教えてもらって、見比べながら話し合ったところでは、値段と性能を秤に掛けるとPentium4の2.40C(HT対応で24000円くらい)が狙い目、もう1ランク上の2.60C(28000円くらい)も良いが、2.40Cと間違えて2.40B(20000円くらい、しかしHT非対応)を買わないように、というところに落ち着きました。2.40Cと2.40Bの違いはHTへの対応だけでなく、FSB(何を意味するのかは不詳)の周波数が前者は800MHzで後者は533MHzであり、パソコンの総合的な速さはCPUの周波数よりもFSBの周波数に左右されるとのことです。
CPUについては予算と相談することにして、もう一つ、今使っているパソコンと新しく買うパソコンのデータの受け渡しには何を使ったらよいか──新しいパソコンにはCD-Rドライブを載せるつもりですが、今のパソコンにはCD-Rドライブがないので、CD-RWでの受け渡しは一方通行になってしまいますし、新しいパソコンにUSBポートはたぶん標準でついているとしても、今あるMOドライブがSCSI接続なので、それをつなぎ替えるためにPCIバスにSCSIカードを入れるのもあまり現実的ではなさそう、などと考えていたのですが──尋ねてみると、それはLANを使うに決まっている、という答えでした。
(6月1日アップ)

5月29日(木)
夜、ウェブ日記を更新してから何気なく巡回していて、「こみっくパーティー DCE」なるゲームが、アクアプラスから今月30日に発売になるというニュースを目にしました。
アクアプラスのページによると、DCEとはDreamCast Edition、つまり最初は18禁のパソコンゲームとしてLeafから発売され(1999年5月)、2001年にDreamCastに移植・発売された こみパが、DreamCast版の内容ほぼそのままにパソコンに逆移植されるということのようです。ですから最初に出たパソコン版こみパと比べると、「18禁シーンがなくて御影すばるがいる」──という言い方は大雑把すぎるでしょうか。その他にもDreamCast版に比べると、色数がさらに増え(1677万色、DreamCast版は多分65536色くらいでしょうか。ちなみに最初のパソコン版は256色でした)、DreamCast版の発売以来さんざん不評を買っていたらしいボイスの音質が良くなったそうです。
といった改良点の中で、最も私の目を引いたのは「原稿描きパートがタイピングに変更(タイピングが苦手な人は設定をOFFに出来ます)」という一文でした。
最初に出たパソコン版の原稿描きパート(同人誌制作をシミュレートするゲームですから、原稿を描いている時間がプレイ時間の最も多くを占めます)が、ただ単に「原稿を描く(普通・丁寧・急ぐ)」「表紙を描く」といったコマンドをクリックするだけで、同人誌を制作している実感に乏しすぎる、という感想が多かったのでしょうか、DreamCast版ではいかにもコンシューマらしいというのか、コントローラの左側にある十字形の方向ボタンとアナログ方向キーを、画面に表示される通りに操作する、というやり方で「原稿を描く」ようになっていました。
ところで、私はパソコン版こみパをたった一人(猪名川由宇)ゴールインしただけで永らく積んでいたのですが、いつだったかDreamCast版は すばるがいるだけでなく他のキャラのシナリオも変えられている(18禁シーンをカットしただけではなく)、というようなことを聞いたので、パソコン版をプレイした時の感じからすると相当(フルボイスですからパソコン版以上に)時間はかかりそうだけれど、プレイしてみる価値はあるだろう、と思って、最近プレイを始めてみました。
ところが、オープニングが終わってゲーム本編が始まり、問題の方向ボタンとアナログ方向キーで原稿を描く段になると、方向ボタンよりは操作が楽だとされているアナログ方向キーを使っても、ろくに原稿が描けません。こういったコントローラの操作に私が慣れていないだけの話ですが、それでもすっかり「やる気」をそがれて、こういうゲームの本質にあまり関係ないところでプレイヤーのやる気をそぐのは、言ってみればメーカーが「策士策に溺れた」結果だ、などと憤慨しつつゲームを棚に戻してしまいました。
そんな時にこの逆移植版のことを知ったものですから、タッチタイピングは我流とはいえ、アナログコントローラを操作するのに比べればまだ何とかなるだろう、という期待を抱くことができました。
そう思って製品紹介のページを見ていくと、ぶち当たった記述は「【動作環境】●CPU:PentiumIII 500MHz」。最初のパソコン版の動作環境はPentium100MHz以上(166MHz以上を推奨)でしたから、時代は変わったものというのか、ゲームに特化したDreamCastをパソコンでエミュレートしようとするとこんなに高いマシンスペックを要するということなのか、とにかく私が今使っているパソコンのCPUでは力不足なのは明らかなようです。
しかもアクアプラスのトップページ、逆移植版こみパ紹介ページへのリンクのすぐ下には、もう一つの逆移植版、すなわち6月27日発売予定の「ToHeart PSE」の紹介ページへのリンクがあります。読んでみればこれも、PlayStation版ToHeartのグラフィックと音声をグレードアップしてパソコンに逆移植する(カラーに関してはPlayStationはDreamCastより性能が低いような気がします)ものなので、いろいろな点でPlayStation版ToHeartをWindows版ToHeartより高く評価していて、以前にはこんな願望をこの日記で吐露したこともある私としては、逆移植版こみパ以上に食指が動くのですが、これも動作環境はPentiumIII 500MHzとあります。
で……ちょっと前からその可能性を検討し始めていた、新しいパソコンを買うことに、本格的に踏み切ることにしました。
新しいパソコンを買う理由づけが、セキュリティ上の理由からWindowsXPを導入することPhotoshopを快適に使うことだった間には、買うことに今一つ踏み切れない、今のままでも何とかできるんじゃないだろうかという躊躇があったのに、「高いスペックを要求するゲームをプレイすること」がそれらの理由づけに取って代わったとたんに躊躇が消し飛ぶのですから、やはり私も、世の大多数のパソコンユーザが持っているのと同じ思考回路を脳内のどこかに持っていて、今日知った2つの逆移植版によって、その回路のスイッチが入ってしまったようです。
(6月1日アップ)

5月28日(水)
5月も末になると、私の住んでいるあたりもすっかり初夏の陽気になります。28日の夕方、蒸し暑かったので部屋の窓を開けて夕飯の支度をしている最中に、今年初めて蚊を仕留めました。窓を開けている部屋の中を蚊が舞い始めると、いよいよ夏が近づいてきたことを実感しますが、それではたと思い出したのは、まだ窓の網戸が1枚外れたままだったことです。このアパートで迎える夏も3度目だというのに。
(5月31日アップ)

5月26日(月)〜27日(火)
26日午後6時25分頃、宮城県沖を震源地とする地震がありました。私はその日、珍しく早く帰宅できたので、日の出ているうちからパソコンに向かっていましたが、ゆっくりとした横揺れが始まったのに気がついたので、地震速報が入るかとテレビを点けると、NHK新潟のローカル番組で「揺れています、地震かどうかは詳しい情報が入り次第お伝えします」と言っているうちにNHK仙台からの中継に切り替わり、「揺れが収まったら火を消してください」と繰り返し始めました。
震源地は宮城県北部の少し沖合で、マグニチュード7.0、宮城県北部から岩手県南部にかけて震度6弱を記録したようです。新潟県内各地の震度は3くらいで、とくに何と言うほどのこともなかったのですが、ネットのお知り合いの人でウェブサイトを持っている人の中に、宮城県と岩手県にお住まいの人がいるので、もしやと思ってサイトの掲示板に安否を尋ねる書き込みをしに行きました。
とは言っても私はその人たちについて、サイトのURL以上の連絡が取れるような個人情報、つまりご自宅の電話や携帯電話の番号を知っているわけではないので、もしその人たちの自宅が倒壊したり入院するほどの大怪我をしていたりして、掲示板の書き込みに返信できない状態になってしまっていたとしても、どうなったかを知ることはできません。
幸い、震源地に最も近いところにお住まいの人も、26日の夕刻のうちに(私が書き込みをしに行ったのは夜半頃)掲示板で無事を知らせていました。

宮城県沖を震源地とする地震というと、1978年に死者28人を出したいわゆる「宮城県沖地震」が記憶に残っているところです。インターネットの新聞記事によると、このタイプの地震は約40年間隔で発生しており、前回の地震から25年経っているので「今後30年以内に98%の確率で地震が起こる」と発表されていて、発表された際には地元ではさぞかし大騒ぎになったことと思います。
今回の地震は震源の位置と深さからしてその、発生が警戒されていた狭義の「宮城県沖地震」ではなかったようですが、震源が深かった(71km)ために津波の発生はなかったものの、阪神大震災を上回る揺れを観測した地点もあったという割には、今のところ死者ゼロというように、被害が少なかったのは幸いでした。78年の宮城県沖地震の時には、震源が海底だったといっても、津波によって大被害が出たと聞いた記憶はなく、住宅地のブロック塀が倒壊したことによる犠牲者が多かった、と聞いた記憶があります。それから25年の間に、ブロック塀などの耐震性の規制が強化されて、それが今回の犠牲者なしにつながったのだとすれば幸いです。

津波と言えば、近年日本付近で発生した地震で、津波による被害が大きかったのは1993年の北海道南西沖地震(死者・不明230人)と1983年の日本海中部地震(死者104人)だったことを思い出します。前者は夜間に発生した地震で、奥尻島のいくつかの集落が、住民が避難する暇もなく津波に押し流されてしまったのでしたが、後者は日中に発生した地震で、津波の襲来が早すぎて避難しきれなかったというよりも、揺れが収まった後すぐに海岸から避難しなかったために津波にさらわれたという例が多かったようで、当時「津波を何度も経験している太平洋側は『地震の後には津波が来るものと思ってすぐに高台へ避難する』という常識があったのに対して、津波をほとんど経験していない日本海側では『地震の後には津波が来る』という認識がなかったのではないか」と言われていたのを思い出しました。

地震対策が進んでいる日本ではここ数十年というもの、6千人を超えた阪神大震災の犠牲者数を別格とすると、上に書いた2つの地震のように犠牲者が100人を超えると大被害という印象を受けますが、21日の夜(現地時間)にアルジェリアで発生した地震の犠牲者数は、25日までに判明している限りで2千人を超えているそうです。マグニチュードは6.7ですから26日の日本の地震より小さかったのに、こんなに厖大な犠牲者が出て、しかもその大半はビルの倒壊によるものだと聞くと、あまりにも不謹慎ですが「またか」という感を拭えません。
今回のアルジェリアの地震に限ったことではなく、近年、海外で地震が起こって何千人もの犠牲者が出る時の事例は、ほとんど例外なくビルの倒壊が被害を拡大しているような気がします。1988年のアルメニアの地震の時は、コーカサス山脈に抱かれたアルメニアは地震多発地帯なのに、建物の強度の基準は旧ソ連時代のままで、その基準は地震などまず起こらないモスクワを念頭に置いた基準だと聞いたような気がしますし、今度のアルジェリアにしても、地震多発地帯とされながらアルジェリアの建物の強度の基準は、旧宗主国フランスの、それも何十年も前の基準のまま、なんていうことなのではないかという気がします。世界で最も厳しいという日本の耐震基準を世界標準にするのは、金銭的に困難かもしれませんが、人間の営みによって軽減できるはずの自然災害の被害を軽減しない、むしろ拡大するような事例が見られるのは、決してあるべきではないと思います。
(5月29日アップ)

5月24日(土)〜25日(日)
週の初めから、夜毎に時間を捻出しては新作KanonSS「500円玉20枚」の打鍵を進め、24日の夜半過ぎに完成・公開しました。
今度の小説は、昨年制作した「みさかかおり」と違って、Kanonというゲームのキャラクターと背景世界を使ったSS(二次創作小説)という形にすることに絶対的な必然性があるというわけではありません。まず最初に浮かんだのが、「50円玉20枚」をもじった「500円玉20枚」という主題で、その時点ではKanonSSではなくてむしろ「同級生2」SSの形にするつもりでした。当初考えていた配役を、シャーロック・ホームズシリーズ以来の古典的推理小説の役割分担に当てはめれば、不思議な出来事を経験した依頼者役が加藤みのり、推理を働かせて謎を解決する名探偵役がヒロイン水野友美、友美の推理ぶりを横で見ているワトソン役がゲーム本編の主人公、となります。八十八学園を卒業した後もコンビニでアルバイトを続けていた みのりが、コンビニに毎週土曜日の夕方、20枚の500円玉を両替しに来る客がいることに気づいて、例えば同窓会の席で友美にその話をする──という導入にするつもりだったのです。
しかしNiftyのパティオに同級生2SSが続々と発表されていた時代からは幾星霜を閲した今、インターネットの片隅に同級生2SSを公開したとして、いったいどれほどの人が目を留めてくれるでしょうか。作品を公開する以上はできるだけ多くの人に見てもらいたいもの、その目的のためには、今でも数多くの新作SSが公開されているKanonSSの形にする方が効果的だと考えたのは、当然の成り行きです。
しかしそうなると、Kanonのゲーム本編には、本屋やコンビニでアルバイトをしているキャラクターというのが登場しません。ゲーム本編の設定をあまりいじらずに使おうと思うと、ここで適切な配役が思いつかず、いきなり挫折しそうになってしまったのですが、少し前にチャットでこの小説の構想のことを話した時、「沢渡真琴が本屋でアルバイトしていたことにしたら?」という示唆をもらって、これで配役が決まりました。
それでも、文章が短い割には思ったより打鍵に時間がかかってしまったのは、Kanon世界での了解事項、つまり例えば真琴・相沢祐一・水瀬名雪・水瀬秋子それぞれが互いをどう呼ぶかというようなことを確認しながら打鍵していただけでなく、下敷きにした「50円玉20枚」の詳細についても、こういうSSを書いているくせに推理小説に造詣が深くない私の手許には、原資料つまり「50円玉20枚」の問題編がなかったため、インターネットで裏付け調査をしながら打鍵しなければならなかったからです。
(5月26日アップ)

5月19日(月)〜23日(金)
私は職場まで数キロの距離に住んでいるので、雨雪の降っていない日の通勤には自転車を使っていますが、この一週間は、いやというほどタイヤのパンクに悩まされました。
まず20日、1年前に交換した後輪のタイヤが裂けてきて中のチューブが飛び出しそうになっているのに気がついたので、夕方帰宅してからホームセンターにタイヤを買いに行きましたが、タイヤを買ってきて、交換するために後輪をフレームから外し、後輪のリムからタイヤとチューブを外すところまでやった後で、タイヤを間違って買ってきた(26インチのタイヤを買うべきなのに24インチのタイヤを買ってきた)ことに気がつく始末です。もうホームセンターが閉まっている時間だったので、明日返品交換しに行くことにして、玄関の灯りの中で自転車を組み立てました。
21日の朝、出勤するために自転車を漕ぎ出すと、昨夜填め直した後輪のタイヤがうまくリムに填まっていない感じがしましたが、直している時間などないので漕いでいくと、職場に着く前に見事にパンクしました。タイヤをリムに填める際に、空気を入れる部分のあたりのチューブをタイヤとリムの間に挟み、そこからチューブが裂けるという、素人がパンクを直すとよくやる失敗です。
後輪のチューブは、素人目にも直せそうにないほどの大穴が開いたので、帰りがけに近所の自転車屋に寄って、裂けそうなほど磨り減ったタイヤともども交換してもらいました。
いったん帰宅してから、直った自転車に乗って、昨日間違えて買ったタイヤをホームセンターへ返品に行きましたが、ホームセンターから帰ってくる途中で、今度は前輪がパンクしました。あたりの自転車屋は閉まっている時間だったので、無理やり自転車を漕いで帰宅し、フレームから取り外すのに後輪ほどは手間がかからない前輪だったのを幸い、自分でパンクを修理しました。この時改めて気がつきましたが、この前輪のチューブのパンクを直すのは、今度が4回目でした。
22日の朝、出勤するために自転車を漕ぎ出すと、昨夜填め直した前輪のタイヤがうまくリムに填まっていない感じがしましたが、直している時間などないので漕いでいくと、職場に着く前に見事にパンク──はしませんでした。帰りにまた自転車屋に寄って前輪を見てもらうと、予想通りタイヤとリムの間にチューブが挟まっていたので、その場で直してもらいました。
23日も自転車で出勤し、昼休みにちょっとした用事があって、職場から100メートルほどしか離れていない店へ買い物に行きました。職場の駐輪場から自転車を出す時、「こんな近場でパンクするとは思えないが」と一瞬考えたのが、虫の知らせだったのか、たった100メートルの距離を帰ってくる間に、近くを歩いていた人が驚いて声をあげるほどの音を立てて、──前輪がパンク。非科学的なことは信じないようにしている私ですが、この時ばかりは、私の自転車には何か悪しきモノが取り憑いているのではないかと思いました。
昨日までで4回パンクを直した前輪のチューブはもう換え時と思ったので、帰りにホームセンターへ行ってタイヤとチューブを買ってきて、自分で前輪のタイヤとチューブを交換しました。
とまあ、こんな一週間だったのですが、結果として前輪と後輪の、タイヤとチューブが全部新品に替わることになりました。タイヤとチューブが全部新品になった今の状態から自転車に乗り続けて、今後2〜3年の間に前輪と後輪のどちらが何回パンクするかを記録していけば、1年前に考えたこと、つまり自転車のタイヤは前輪より後輪の方がパンクしやすい気がするのは、気のせいか偶然か、それとも前輪よりも後輪の方がパンクしやすい工学的な理由があるのか、それがわかる手掛かりが見つかるかもしれません。
──それがわかったからといって何か公共の福祉に役立つとも思えないのですが、少なくとも、以前の私が事あるごとに繰り返していた、「もし自然に意志という物があるのなら、それは人間を害し、あるいは愚弄、嘲笑する意志でしかない」という被害妄執に似た思い込みを捨てる助けにはなるかもしれません。
(5月25日アップ)

5月17日(土)〜18日(日)
この週末は、ゲームのプレイばかりではなくてサイトのコンテンツを実質的に増やす作業、すなわち前からこの日記に思わせぶりな事ばかり書いているゲームレビューを独立したコンテンツとして公開する作業に充てようと考えていました。
しかし実際に取りかかってみると、かれこれ10年を越えるゲーム遍歴の間に買い込んだゲームの数(プレイしたゲームの数と一致しないというのが業の深さを物語っていますが)は、パソコン版とコンシューマ版、MS-DOS版とWindows版といった重複も1つずつ数えると、優に3桁の大台に乗ることがわかりました。5号館4号室にまとめて収蔵しようと思っていたのですが、これだけのものを1ページに並べたのでは私自身読む気にならないと思うので、レイアウトの方法についてもう少し考えてみることにします。
枠組みが決まったとしても、100タイトルのレビューを書くとしたら相当な時間がかかると思うので、それにかまけて棚上げになってしまわないうちに、また別に一つ思い立っていた、もっと創造的な作業を始めることにしました。
(5月19日アップ)

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