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「夏の風物詩」と題した夕凪さんの一連のSSは、当サイトに頂いた「海岸編」とその改訂版(この「海岸編」だけは「ToHeart」SS)、それに かつて「kunta's room」に寄贈された「残暑編」がありますが、その出発点となったのがこの作品です。
Kanonというゲームでは、メインヒロインたちがそれぞれ特定の食べ物と結びつけられていますが、その中で「夏の風物詩」にふさわしい食べ物といえば、やはりアイスクリームでしょう。というより普通、酷寒地で真冬に屋外で食べるものではありません、アイスクリームは。
さてそこで、料理上手な秋子さんの手作りアイスクリームをごちそうになった祐一たちでしたが、テーブルに並んだアイスクリームの中に1つ、鮮やかなオレンジ色のアイスクリームが……!
Kanonに基づくギャグ系の二次創作をいくらかでもご存じの方なら、ここで即座にあの「お約束」なオチを予想されると思います。
しかしそこで「お約束」のオチに走らず、その場は無事に収めてから、祐一が(読者も)安心したところで別のオチに持ち込んだ夕凪さんの発想は、KanonSSの処女作としてはなかなか優れたものではないかと思います。
余談ですが、真っ赤になるほど唐辛子を入れたアイスクリームというのは実在し、このSSを贈られた桂芳恵さんは、実物をご存じだったそうです。
(2004.11.22)