『ユダの最期』
ユダの最期
『同級生2』より「長 岡芳樹」です。
マタイによる福音書
第27章第3〜10節(新共同訳聖書)
3そのころ、イエスを裏切ったユダは、イエスに有罪の判決が下ったのを知って後悔し、銀貨三十枚を祭司長や長老たちに返そうとして、4「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」と言った。しかし彼らは、「我々の知ったことではない。お前の問題だ」と言った。5そこで、ユダは銀貨を神殿に投げ込んで立ち去り、首をつって死んだ。6祭司長たちは銀貨を拾い上げて、「これは血の代金だから、神殿の収入にするわけにはいかない」と言い、7相談のうえ、その金で「陶器職人の畑」を買い、外国人の墓地にすることにした。8このため、この畑は今日まで「血の畑」と言われている。9こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。「彼らは銀貨三十枚を取った。それは、値踏みされた者、すなわち、イスラエルの子らが値踏みした者の価である。10主がわたしにお命じになったように、彼らはこの金で陶器職人の畑を買い取った。」
当サイトの開設4周年記念としての、サイトの初心に立ち返って同級生2キャラが主役になる連作CGには、改めて「受難三部作」と名付けることにしましたが、これで完結となります。
これも題材は、イエス・キリストの受難にまつわる聖書の記述から取りました。
第1作「最後の晩餐」の時、すでに銀貨30枚と引き換えに師イエスを裏切っていたイスカリオテのユダの、その後です。ユダの最期については、聖書の別の箇所にこういう記述があります。
使徒言行録 第1章18節
ところで、このユダは不正を働いて得た報酬で土地を買ったのですが、その地面にまっさかさまに落ちて、体が真ん中から裂け、はらわたがみな出てしまいました。
(新共同訳聖書)
ユダの最期を描いた絵は、ルネサンス以後の西洋絵画史でも、さすがにそれほど多くはありませんが、私が見つけた2点の絵は、聖書のこの2つの記述を合わせた形で、首を吊ったユダの腹が裂けて腸が垂れ下がっている場面を描いています。
「はっきり言っておきます。」私は、長 岡芳樹の最期をこういう絵として描きたかったから、受難三部作を制作したのだと。
(2004.4.28)

次のCGへ
6号館3号室に戻る