『学園裏神社』
学園裏神社
『同級生2』より「水野友美」『ToHeart』より「松原葵」「雛山理緒」です。
ネットでお知り合いになった方々に差し上げた、年賀CGです。
2003年の年賀CGを制作するに際して、「今後 年賀CGには、水野友美と、その前年にプレイしたゲームの中で最も好きになったキャラを描く」という方針を決めました。
そして、その第一弾の栄誉を担ったのが「ONE」の川名みさき、私にとっては、水野友美を知って以来、実に8年ぶりに「萌え」と呼ぶに値する感情を覚えたキャラだったのです。
それで2004年の年賀CGも同じ方針で制作することに決めていたのですが、2003年は、前半期には手元に積んでいるゲームを、常軌を逸したペースで消化していったかと思うと、後半期は一転して、新しいパソコンを買ったために(その理由の一つは、マシンパワーを要するゲームを快適にプレイするためだったはず)CGの制作に熱中してゲームのプレイがすっかり留守になってしまうという具合だったせいでしょうか、年末になると前半期にプレイしていたゲームのキャラたちの印象がすっかり薄れてしまい、「今年プレイしたゲームの中で最も好きになったキャラは誰か」という問いに自分自身が答えられない状態に陥ってしまいました。
といって、沢村賞ほど権威のある賞でもあるまいに「今年は『該当者なし』」とはしたくなかったので、新しいパソコンの購入に踏み切った直接のきっかけの一つとも言える「ToHeartPSE」を、コンプリートには程遠い状態ですが、2003年にプレイしたゲームとすることにしました。
そうするとしても、私は最初にパソコン版ToHeartをプレイした時に保科智子を気に入って、ファンサイト「いいんちょ普及委員会 保科智子Fan Club」の末席に連なっている身ですが、今までに何度も描いている智子をここでもう一度描いてもあまり新味がないと思いました。
それよりもパソコン版をプレイしてしばらく経ってからPlayStation版をプレイした時に、かなり好感度の順位が上がったキャラがいた(智子の首位を覆すほどではありませんが)ので、それを「2003年にプレイしたゲームに登場する、最も好感度が上がったキャラ」と見なすという、苦し紛れの策に出ました。
それが今回描いた、松原葵と雛山理緒だったわけです。

葵・理緒「800さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
800「あけましておめでとう。礼儀正しい子はいいな」
知美「そうですね。メールで皆さんにお知らせしたのが1月7日の深夜、つまり松の内ぎりぎりになるまで制作が遅れる間、そして今は館長の長ったらしい前置きの間、じっと待っていてくれたんですから」
800「……正月早々、どうしてそういう事ばかり言うかな、知美は。
 前置きが長くなったが、友美と一緒に描くキャラとして2人を選んだ理由は、上に書いた通りだ。キャラを決めるまでが長かったんだが、キャラを決めたら、シチュエーションはすぐに決まった。
 具体的に言うと、まず最初に、PlayStation版をプレイした時に好感度がいちばん上がった葵を描くことを決めた。それでシチュエーションだが、葵はあの学園に入学してすぐエクストリーム同好会を立ち上げてからずっと、学園の裏にある神社の境内でエクストリーム同好会の部活、というより自主トレかな、それをやっているわけだから、いつも部活に境内を使わせてもらっていることに感謝する意味で、初詣で賑わって人手が必要になる正月に、神社の仕事の手伝いを申し出た、というところだな。境内の掃除なら、いつもやっているから慣れているだろう」
葵「そうですね。時々、藤田先輩も一緒に境内の掃除をしてくれますよ」
800「次に理緒だが、葵が何かアルバイトをしているところを描くと決めたら、理緒も一緒にアルバイトしているところを描こうと、即座に決まった。何てったって理緒は、ToHeart一の勤労学生だからな。それも社会勉強のためじゃなく、已むに已まれぬ事情があって、本当に必要に迫られて働いているんだし。
 だから理緒を描くと決めたのは、PlayStation版をプレイした時に葵の次に好感度が上がったキャラだっていうのと、アルバイトというシチュエーションが最もハマるキャラだからという、両方だな」
理緒「……なんかちょっと、恥ずかしいです……」

葵「800さんの好感度がいちばん上がった、なんて言われると、私もちょっと恥ずかしいです」
800「あー、誤解しないように、2人とも。『異性として、恋愛の対象として好きになった』って意味じゃないから。ぜんっぜん。これっぽっちも。毛の先ほども。1パーセントも。1ppmも」
知美「まーたそう、身も蓋もない言い方をする……」
800「だって実際、そうだからな。PlayStation版をプレイした当時の日記に書いたんだが、葵は
格闘技の強豪選手に憧れて、たった一人で同好会を旗揚げし、同門の先輩との衝突を乗り越えて、憧れの選手に近づこうと邁進する。どんなトレーニングも苦にしない勤勉さと向上心の持ち主でありながら、プレッシャーに弱くて試合本番では実力を発揮できない弱さもある。実生活での私が持っていない、多くの人がそうありたいと願うような長所と、多くの人の共感を誘うような短所を持ち合わせた葵は、(中略)現実に存在していたとしても、きっと男女両性に好感を持たれる人物
だと思う。現実の中学高校にも学年に1人くらい、男子女子に関係なく、こんな風にみんなに好かれ、人望を集める生徒がいると思うんだ。ゲームキャラで言うと、さしずめ『雫』の太田香奈子あたりだろうな。私は中学高校と男子校だったが、やっぱり同期にいたよ、飛び抜けて成績がいいとか特別に品行方正なわけじゃないが、みんなが周りに集まってくる、人望の厚い生徒が」
葵「そんな……私なんて、綾香さんに比べたらぜんぜん才能がないから、ただひたすらトレーニングしてきただけなのに……」
800「綾香と比べるのは、比べる相手が悪すぎる。それに、『ただひたすらトレーニングする』ことができるってのは、立派な才能だと思うぞ。世の中には、机に向かって勉強を続けることのできない人間ってのが大勢いるんだから、誰とは言わないが。
 それから理緒は、
葵とはまた別の意味で、最もプレイヤーの共感を呼びそうなキャラです。葵のように美点が光るというのではなく、それどころかギャルゲーの古典的ヒロインキャラの役目を担わせるには、古典的ヒロインキャラが備えているべきいわゆる典型的な美点がほとんど見当たらないくらいなのですが、「転んでも怪我しない頑丈な体だけが取り柄」と冗談めかして言いながら、家計を助けるためにアルバイトに明け暮れる姿、そして昨年のクリスマスの日にケーキ売りのアルバイトをしていた時が主人公とのなれそめで、それ以来ずっと主人公に憧れとほのかな恋心を抱いていたという姿は、多くのプレイヤーには、最も等身大に近い存在であろうかと思います。
ってね。昨年8月に開かれたSchool Memoriesでのキャラ人気投票で、持田真歩子が結城瑞穂を引き離して『下級生』キャラの1位になったのは、真歩子は瑞穂に比べて『近寄り難さ』がない、多くのプレイヤーにとって『等身大の存在』だったからじゃないかと思っているんだが、理緒にもそれが当てはまると思うな」
理緒「……これって、褒められてるんですか?」
800「褒め言葉になってなかったか。でも、そういうキャラに私が好感を覚えたのは、紛れもない事実だから。
しかし何だな、昨年いちばん気に入ったキャラとして選んだのが、男女に関係なく人気がありそうなキャラと、プレイヤーにとって等身大のキャラか。異性として、恋愛の対象として好きになったキャラではないってんだから、恋愛ゲームをプレイするには齢を取りすぎたのかもしれないな、私は」
知美「自分で言ってりゃ、世話はありませんよ……」
(2004.1.8 2004.1.10コメント補足)

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