下級生リレー小説:制作余話
制作 2000年10月1日〜

・第55話 「白球の行方」
第54話雅丸さんの回でリレーSSは5巡目が終わるので、その際にまた担当の順序を変えることになりました。
そのやり方について3月初旬にそこつやさんから告示があり、今回は2巡目が終わった時と違って、各参加者が希望する順番を先着順に表明するやり方になりました。
そこで私の順番ですが、3月下旬は身辺が非常に多事多端になることがわかっていたので、5巡目が3月20日頃に終わるとすると、6巡目は3月末に担当が回ってこないような順番にするのがよかろう、それならいっそ、あまり立候補したがる人がいないに違いない1番に立候補しようと、第52話を担当する前に1番に立候補しておきました。
その後ふりんとぶらっくさんがリレーから降板してしまわれたため、急遽、構想から推敲まで正味一昼夜で第52話を担当することになったわけでしたが、その後は第53話さん、第54話雅丸さんと順調にリレーが進んで、私の担当する第55話の締切は3月21日の正午過ぎと決まりました。
締切が平日の昼ということは、実質的には前夜のうちに投稿しなければならないわけですが、今回は20日が祝日なので、安心して打鍵に専念できると思いました。
ところが雅丸さんから引き継がれた内容というのが、読んでみてびっくり、けんたろうと真歩子がプロ野球の公式戦を観戦する場面を書かなければなりません。
この歳になるまでプロ野球の試合をテレビですら観戦したことがほとんどなく、まして野球場へ行ったことなど一度もない私が書くには、かなり荷が重い話です。
弱りましたが、リレーの奥の手「その頃○○は」は安易に使うべきではないと戒めながら考えるうち、いくらも経たずにプロットが浮かびました。浮かんだプロットは、こういった恋愛物のドラマやコミックスではまあよくありがちな、良く言えば王道的プロットです。
他の方々と共同で制作するリレーSSですから、あまり奇をてらったプロットに走るよりはオーソドックスにまとめる方がいいと思って、このプロットで行くことにしましたが、そうなると次は、私のこだわりではありますがリアリティです。
19日夜のチャットで、他のリレーSS参加者にプロットを話したところ、全面的な賛同を得ましたが、王道的なプロットは作者の力量が試されるとも言われました。心理描写や情景描写、臨場感でどれだけ差が出せるかは作者の力量次第、ということです。
そうなるといっそう、リアリティ溢れる「見てきたような嘘を書く」には緻密な考証が欠かせないと思って、20日は一日中、近所の図書館へ資料調査に行っていました。
雅丸さんの回で提示されていた、野球の試合の設定、すなわち2チームが直接対決の最終戦を残して同率首位というのは、数年前にセ・リーグの巨人と中日で実際に起こったことのようです。その時の一戦は、まさに球史に残る決戦とされていますが、図書館で調べてみると1994年のことで、いささか古い気がしました。
そこでもっと新しい、みんなの記憶に残っている決戦を探すと、昨年のセ・リーグ優勝が決定した巨人−中日戦がありました。2本のホームランで巨人が逆転サヨナラ勝ちした一戦です。
そこでこの試合の設定を採り入れることにし、元のゲームで使われている、巨人をイメージしているらしいシャイアンズ(笑)の対戦相手がなぜかカープとなっていた(雅丸さんのひいきチームなのでしょうか?)ので、実名をそのまま使うのは止めてカーブとし、選手名は2000年シーズン終了頃の巨人・広島両チームの選手名をイメージして作りました。
そして夜が更けてからはインターネットで東京ドームや読売ジャイアンツの公式サイトへアクセスして情報収集に努め、午前4時までかかって打鍵を終えました。
分量的には200ライン、またしても分量超過です。臨場感を出そうとして、ダフ屋を出したり、試合経過を詳細に書きすぎたのかもしれません。
(2001.3.21)

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