下級生リレー小説:制作余話 |
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制作 2000年10月1日〜 |
・第52話 「秋の別れ」
この回は、私の前に担当するはずだったふりんとぶらっくさんが、やむを得ない事情でリレーSSから降板してしまったために、急遽私に順番が回ってきたものです。第50話Rさんの回で、長かった夏休みがようやく終わり、季節は秋へと移りました。 普通の学校だと、秋は修学旅行・文化祭・体育祭といった学校行事が目白押しだと思うのですが(ちなみに私の出身高校では、文化祭がゴールデンウィーク、体育祭と修学旅行が10月頃でした)、元のゲームでは卯月学園にはそういった学校行事が設定されていません。 となると、力量に自信のあるSS作家なら、自分でいろいろな設定を行い、プロットを組み立てて、オリジナリティ溢れるSSを書く、まさに腕の揮い所なのでしょうが、次回の担当が私だと知った時点で締切まで一昼夜余りでしたから、そんな大がかりなプロットを立てている余裕がありません。 それに花火大会で360ライン書くほど、文章が冗長になりがちな私のことですから、朝から始まって夕方に終わる体育祭でも、まともに書けば1000ラインでも収まらないでしょうし、まして「卯月学園修学旅行:京都・大阪1週間」なんていう文章を本気で書いたら、完結までに何千ライン要するかわかりません(未公開作品ですが、朝から夜までの出来事を書くのに3800ライン使った作品があります)。 1回の分量の目安が100ラインとされているリレーSSで、そんな暴挙をやった日には、リレーから閉め出される恐れさえあります。 そこで今回は、大がかりなイベントに基づいたプロットは止めました。 登場させるキャラですが、まず企てたのは、今回も友美を登場させることです。といっても卯月学園関係者との接点の乏しい友美ですから、いきなり登場させるわけにもいきません。 それではどうするか、と考え始めたところで、同級生2のメインキャラの中でも二次創作への登場頻度が非常に低い、八十八学園1年生都築こずえを呼び水にすることを思いつきました。 卯月学園の瑞穂と奈々、葉月学園の真歩子、八十八学園の こずえ、この4人には、テニス部という共通項があります。なぜelfのゲームでは、女子生徒が入っている体育会系の部活というと陸上部とテニス部が多いのか、という疑問というか不満はありますが、今はそれを利用させてもらおうと思ったのです。 そして こずえさえ登場させれば、友美と こずえは図書委員という共通項があるので、ちょっと工夫すれば友美を登場させられる、と踏んだわけです。 こずえを登場させるために登場してもらう卯月学園キャラとしては、3年生の瑞穂よりは1年生の奈々の方が良さそうだ、それに奈々には初秋に、夏の間交際していたティムに振られるというかなり大きなイベントがあるので、今回の導入にはこれを使おう、と考えついたのは、もう締切まで数時間しか残らない頃でした。 奈々がティムに振られて激しく落ち込む。その少し後、卯月学園と八十八学園の交流試合の時に、それまでに奈々と顔見知りになっていた こずえが奈々の様子を見て、心配して声をかける。奈々に同情して自分も考え込んでいる こずえに、図書室で友美がアドバイスする。こんな具合に書こう、と思ったのですが。 後先考えずに打鍵を始めたところ、たちまち行き詰まりました。 友美だって本格的に失恋したわけではないし(第44話で私が書いた、竜之介と唯の関係からすれば、友美が本格的に失恋するのは時間の問題かもしれませんが)、まして こずえは恋愛経験すらあるかどうかわかりません。そんな人物が、奈々に何ができるでしょう? こうなったら こずえも友美も登場させず、奈々が時を薬として独力で立ち直るまでを書こうとも思いましたが、元のゲームから書き取ったシナリオをいくら読んでも、私の能力では立ち直るまでの過程を文章にまとめられません。 そうしているうちに締切(しかも当初の締切は寝過ごしてしまって、一方的に延ばした締切です)は刻々と迫ります。そこつやさんの第51話に比肩することは元から考えていませんが、今までに私が投稿した4回のどれにも遠く及ばない文章、いかにも「締切に追われてやっつけ仕事やりました」という文章を投稿するくらいなら、いっそパスしようかとも思いましたが、リレーSSでの数少ない自慢は「締切を破ったことがない(一方的に締切を延ばすと宣言したにせよ)」と「パスしたことがない」くらいなので、パスするくらいなら多少見劣りがしても投稿してしまおうと考え直して、文章の後半はかなり端折った形で強引にまとめ、締切直前に投稿しました。 冒頭のティムと奈々のやりとりからしてゲーム本編の台詞をそのまま流用した今回、オリジナリティがあると言えるのは、後半、部活を休んだ奈々に瑞穂が電話をかけてきたくだりでの、二人のやりとりくらいです。これとても、失恋したことのない瑞穂は、奈々に「先輩は、失恋したことはありますか」と問い詰められると二の句が継げなくなってしまう、という体たらくなのですが。 次の担当者は、台詞だけで文章を構成する名手すさんです。傷心の奈々が自力で立ち直る道程となると、台詞よりはモノローグ主体になりそうな気がするのですが、さて……。 (2001.3.14) |
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