番外日記
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2002年8月18日(日)
朝比奈めぐみは、クマ先生が東京の大学病院の地位を辞して田舎の診療所に赴任した際に一人だけ連れてきたという、すこぶる有能な看護婦です。仕事に対する真摯さは、他のキャラのシナリオの中でも、しばしば裕作に対する落雷となって現れます。
そんな朝比奈に対する裕作の感情は、医療従事者としての先輩に対する尊敬と憧れと畏怖が綯い交ぜになったような物から始まりますが、ふとしたことから、朝比奈に縁談が持ち上がっていて、結婚するか看護婦を続けるかの岐路に立たされている──今の日本では是非は別としてまだまだそういうものでしょう──ことがわかります。
そして30歳になろうとする(失礼ながら私、朝比奈が つばさの母を看護していた、そして大気の母も看護していたと推測されることから、朝比奈の年齢は30代後半かと思っていました)今、看護婦という激職を続けていくことに躊躇いを覚えつつあることが、朝比奈の深刻な葛藤になっているというのは、私が今までプレイしてきたゲームの多くを占める、やや乱暴なくくりをしてしまうと少年少女の恋愛を主題にしたシナリオとは、かなり趣を異にしますが、実際に私自身と兄妹従兄弟がその世代にある私にとっては、より親近感のあるシナリオでした。
シナリオの結末はお約束通り、朝比奈は縁談を断って仕事を続ける決意を新たにしつつ、裕作と将来を誓うことになります。しかし、男主人公が年上の女性と結ばれるゲームはあまたありますが、主人公にそれだけの甲斐性があるのだろうかと、いつも思ってしまうのは、縁談の一つもない我が身の僻みでしょうか。
(8月27日アップ)

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