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8月25日に制作に着手し、27日に完成したCG「ラインの黄金」で、ライン川の川底の黄金を3人の乙女から盗み取ろうとする侏儒アルベーリヒには、私が憎悪して已まない数少ないゲームキャラ、『同級生2』の長
岡芳樹をあてました。 ところが芳 樹への思いそのままに、アルベーリヒを黒ずんだ醜怪な異形の侏儒として描き、川底の闇の中に置いたところ、完成したCGではアルベーリヒの姿がほとんど見えなくなってしまいました。 たとえ闇の中に黒ずくめの悪魔を描こうとも、はっきりと見えるように描くべきであり、それができなかったのは私の力不足としか言いようがありませんが、原画段階で私がどんな風にアルベーリヒを描こうとしていたのかを見ていただくために、原画をそのまま掲載します。 |
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知美「えーと、あの、なんて言ったらいいんでしょう……」 800「ただの太った侏儒に描くくらいで、私の想いが表現しきれるか。尖った耳とヤギに似た角は、ヨーロッパでは古来、悪魔の象徴だ。さらに牙と鈎爪は獣性の象徴、先が割れた舌は蛇の舌だ。これにコウモリの翼とサソリの尾でもつければ完璧だと思うな。だが惜しむらくは、あれをモデルにしたにしては腹の出方が足りなかったことだな」 知美「もともとアルベーリヒはニーベルング族の小人ってだけで、こんな悪魔みたいな姿はしていないんじゃないですか? 確かに姿形のせいで、ラインの乙女たちには相手にされなかったみたいですけど……」 800「おおもとの伝説がどうであろうが、ヴァーグナーの原作がどうであろうが、そんなのは関係ない。これは私の心にある芳 樹の像が、アルベーリヒの名を借りて具象化した物なんだから」 知美「…………(所長の心の奥底は、ライン川の深淵よりも暗く、悪魔よりもどす黒いんじゃないかしら……?)」 (2000.8.29)
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