『午前8時』
午前8時
『同級生2』より「加藤みのり」です。
ゲーム「同級生2」に登場する、眼鏡を掛けた女性キャラというと、第一はヒロインの水野友美ですが、もう一人この加藤みのりもそうです。
このサイトを一通りご覧になった方はおわかりのように、私は友美に、人生を変えられたと信じるほど萌えていますが、みのりも好きなキャラとして、順位は高い方です。
その割にはCGを描くことが少なく、初めて描いた「みのりの秋」でギャグに走って以来、これがやっと3回目になります。

キャラクターの造形として見た場合、正統的なヒロインである友美に対して、みのりは掛けている眼鏡が俗に「牛乳瓶底眼鏡」といわれる、レンズが分厚くて度が非常に強く、他の人には掛けている本人の目の表情が全くわからない眼鏡で、それに加えて奇妙な髪型(ゲーム中では「やじろべえ」と評され、似たような髪型をしている「With You」の信楽美亜子は「頭にエビフライをくっつけている(爆)」と形容されています)をしていて、そして太古の昔からのお約束として、眼鏡を外して髪を解くと人相が一変して男が殺到してくるという、一昔以上前の子供向け漫画には頻繁に見られた、古典的かつ典型的な脇役として造形されています。
みのりというキャラクターの魅力は、決してそんな「色物的脇役」の枠に押し込められるものではなく、見方によっては同級生2の女性キャラ群の中で、最もドラマ性のあるキャラになりうると思います。
遠い記憶になりますが、ある雑誌で同級生2キャラの人気投票の得票を男女別に集計したところ、みのりに投じられた票には女性票が顕著に多かったとか。それだけ、女性の共感を誘うキャラクターなのでしょう。

知美「館長、前置きが長すぎます。制作の動機と題材、題名の意味は何なんですか?」
800「それを順番に説明するつもりだったのに。制作の動機は、『みのりの秋』がギャグに走りすぎたから、もっとまともな題材で主演作を描こうと思ったこと」
知美「やっと、非を認めましたね」
800「……まるで犯罪者みたいな言い方だな。題材は、みのりは毎朝登校前に、世を忍ぶ仮の姿に変装し、学校が終わると元の姿に戻って町内のある場所に現れる、その途中経過ってことで、題名の『午前8時』は登校前に変装をしている時を表している」
みのり「変装だなんて、いやな言い方をしますね」
800「実際そうじゃないのか? バイトをしていることを学校に知られたくなかったから、学校では人と口を利くことも避けていたというんだし。
 それで、題材としては前からストックしてあったんだが、つい最近、いずみにみのりみたいな眼鏡──友美みたいな眼鏡じゃなくてだ、それを掛けさせたら、という発言を聞くことがあって、その線で前の作品を制作したら、『それじゃあ本家の みのりも描いてみよう』と思い立ったんだ。
 私なりにこだわった所としては、普通の人が使うくらいの度の、近視用の眼鏡だったら、レンズを前から見ても渦巻みたいに見えることはないだろうから、実際に私が持っているいちばん度の強い眼鏡を通した時にどう見えるかを見ながら描いたことと、これはシリーズ化するつもりだが『夏服シリーズ』ということで、八十八学園の夏服を想像して描いてみたこと。まあどちらも、前の作品と共通するけどね」
みのり「髪を三つ編みに編んでいるところは、誰かに見せてもらったんですか?」
800「いや、頭の中で想像しただけ。だからこれを描くには苦労したけど、本当にこんな具合になるかどうかはわからない。
 ま、でも、毎朝こうやってきちっと三つ編みに編んでいたら、帰ってからほどいたとしても髪に癖が残って、ウェーブみたいになるだろうな。そこのところは、固く編んだ三つ編みを解いたらストレートになっているという保科智子よりは、リアリティがあると言えるかな」
知美「夏服シリーズといえば……八十八学園の夏服、ゲームじゃないですけどちゃんとオフィシャルの設定がありましたね」
800「あー、またそれを言うか。これを描いた時には、OAVのことは完全に忘れていたんだ」
知美「シリーズ化するとしたら、今後はどうするんですか、オフィシャルの設定に合わせるんですか?」
800「いや、今までの2枚に合わせた独自路線だ。だいたい関東地方あるいはそれ以南を想定した場合、夏にベストを着たら暑すぎるだろう」
知美(なんかちょっと引っかかる気がするけど……)
(2001.6.30)

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