『和解』
和解
『ToHeart』より「保科智子」「吉井」「松本」「岡田」です。
「ToHeart」のヒロインの誕生日に合わせた連作の第2作です。
──ええ、ここはツッコむ場所です。保科智子の誕生日は、他の何月何日でもない、9月10日です。
1月から3月にかけての「Kanon」誕生日連作以来、何かにつけて期日の遅れをごまかす方便に使ってきた旧暦も、今年の場合、旧暦の9月10日は新暦では10月23日ですから、旧暦の誕生日もとうに過ぎ去ってしまっています。
ですが、本来なら前作の姫川琴音にすぐ続くべき長岡志保(誕生日は11月7日)の制作を遅らせてまで、智子主演の形で絵を制作したのには理由があります。
第一は、最後に智子を描いたのが「こみパへの勧誘」で、それ以来2年間も描いていないことです。
そして第二は、志保と同じように智子にも、5月の連休に描いて公開してもいいかな と前々から考えていたシチュエーションがあるのですが、今は他の全てのネット活動(中でもウェブ日記の更新)をそっちのけにして絵の制作に没入しているほど絵の制作意欲が旺盛ですが、来年の春、何枚も絵を制作できるほどの制作意欲を持っているか、今年の4月から7月まで絵の制作に3ヶ月の空白期間を生じた前歴がある私には、全く確信が持てません。
ですから旺盛な制作意欲が持続しているうちに、そして多忙になって絵を描いているどころではなくなるような状況に陥らないうちに、頭に浮かんでいる題材のうちで季節が限定されない題材は、できるだけ早く描いてしまおう、と考えたのです。

主演は智子ですが、一緒に描いたのは吉井・松本・岡田(上の絵の左から順に)の3人組です。
ゲームではこの3人組は1年の時に智子と同じクラスで、2年に進級して藤田浩之(主人公)と智子が同じクラスになると、3人組も同じクラスになります。高校入学に際して神戸から引っ越してきた智子とは、1年の時から反りが合わないらしいのが、ゲームの序盤にもわずかに伺えますが、2年になると、3人組が智子に対して悪意を持っているのが、浩之の目にも明らかになってきます。そして4月のある日、3人組が智子に対してくだらない悪戯を仕掛けたのを浩之が見咎め、3人組を問い詰めて智子に謝らせる、というイベントがあります。
この3人は前作に描いた森本美紀と違って、ゲームの発売からずいぶん経つにもかかわらず、下の名前のオフィシャルな設定がありません。あまり出番のないサブキャラ、それもゲーム中での役割が、主人公とヒロインの1人に対する敵役から始まり、結果的に主人公とそのヒロインの仲を進展させるのをちょっと後押しするだけの役では、制作元も、ゲームより後に発売したメディアでキャラの設定を追加する気にならなかったのでしょうか。
そんな3人組ですが、イベントの顛末を見ると、例えば悪戯を仕掛ける時には、岡田が中心になって遂行し、松本は岡田につられて従うだけ、吉井は岡田にブレーキをかける役、というような役割付けがなされているようです。
そこで、久しぶりに智子主演で絵を描くに際しては、智子の相方として誰を描くかをまず考えましたが、これはすぐに3人組に決まりました。
私が絵を描く時、出番のごく少ない、あるいは扱いの低いサブキャラも一度は絵に描いてやりたいと思うのは、今に始まったことではありませんが、この3人組は、智子との関わり以外にはゲーム本編でもアニメでも全く出番のないサブキャラですから、智子主演の絵に脇役として出演させない限り、絵に描く機会は多分ないと思います。
そして絵に描くシチュエーションですが、いくらゲーム本編での役回りが敵役だからといって、「智子の誕生日記念作品」という名目で描いて公開する絵に、まさか智子と3人組が口論している修羅場を描くわけにもいきません。それなら智子と3人組が一緒に登場するシチュエーションとしてはどんなのがいいかと考えていて、「智子と3人組が和解した場面(浩之が介入することなしに──これには、川名みさきと上月澪の出会いの場面から折原浩平を排除したのと違って、浩之に対する特別な意趣はありません)を考えつくと、その場面での3人の役割を、ゲーム本編での役割に準じる形で設定することにしました。すなわち、岡田は智子との和解には最後まで乗り気でなく、吉井はそんな岡田を説得すると同時に智子にも働きかけ、和解の場では2人の手を取って握手させ、松本は特に率先した行動はせず、和解の場では後ろで拍手をしている、という具合です。
(2004.11.6)
補足
12月5日に、一部描き直した新版を制作しました。ここに公開してあるのは新版です。
旧版は、ここに移してあります。
(2004.12.5)

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