『約束の代償』 |
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『ToHeart』より「HMX-13セリオ」「来栖川綾香」「藤田浩之(主人公)」です。 |
4月23日(水)
綾香「今日がラストチャンス。もう後がないわね」浩之「そーだな」 綾香「覚えてる? 負けたら、なんでもひとつ、勝ったほうの言うことを聞くって約束」 浩之「覚えてるよ」 綾香「さーてと、私が勝ったら、どんなことしてもらおうかなァ」 綾香はいたずらっぽく笑った。 浩之「………」 挑発してるつもりかよ? (中略) あーあ…。 ちくしょー…。 もう少しで勝てると思ったのによー…。 (中略) 浩之「ま、でも、今回は負けということで」 浩之「しょうがねぇ…」 綾香「なに言ってんの、そっちの勝ちでしょ?」 浩之「えっ?」 綾香「…全部で二発もらったじゃない。一発でも当てれば勝ち、ってルールだったでしょ」 浩之「あ、そうか」 一発当てりゃオレの勝ちなんだ。 すっかり忘れてた。 (中略) 浩之「でも、そうか。オレの勝ちか…」 クリーンヒットとはいえ、うやむやのうちに入ったパンチだ。 いまいち実感がわかないが、それでもまあ、勝ちは勝ちだ。 浩之「そういえば、負けたほうはなんでもひとつ、勝ったほうの言うことを聞く約束だったな」 オレはニヤリと笑って言った。 綾香「しょうがないわね。なにをすればいいの?」 「うーん、そうだな、じゃ…」 オレは──。 A あと100回、オレの言うことを聞け! B 一生オレの家来になれ! C オレとセックスしろ!
(最後の行を除き、PlayStation版「ToHeart」より抜粋) 1997年に発売された最初のパソコン版ToHeartでは、松原葵と来栖川芹香のシナリオにごくわずかな出番しかなかった来栖川綾香は、PlayStation版では独自のシナリオを持つ攻略可能なヒロインキャラに出世しましたが、性的描写が徹底的に排除されているPlayStation版のシナリオには、当然のことながらヌードまたは性的表現を含む18禁シーンはありません。 以下、「18禁」の語は「ヌードまたは性的表現を含むことによる年齢制限」の意味で用いることにします。
PlayStation版ToHeartは、パソコンゲームからコンシューマへの移植の数少ない成功例とまで言われ、2002年にはPlayStation版がパソコンに逆移植されるまでに至りましたが、逆移植に際してはほぼ完全なベタ移植にとどまり、パソコンでこそ可能な新しい要素、有り体に言えば18禁要素が追加されることはありませんでした。旧版以来のToHeartのファン、中でも綾香を始め、PlayStation版で出番が増えたセリオや、シナリオが大幅に描き改められた長岡志保・雛山理緒・姫川琴音・宮内レミィといったヒロインたちのファンの中には、逆移植版で18禁要素が追加されなかったことに飽き足らない人が決して少なくないのではないかと思います。アクアプラスの最新作「ToHeart2」が最初からPlayStation2専用のゲームとして発売され、18禁要素を完全に排除していることが、それにいっそう拍車を掛けている、と言っては言い過ぎでしょうか。 綾香やセリオに限らず、18禁要素がない女性キャラというのはそこら中にいますが、彼女たちの18禁シーンを想像するのはファンの自由、いやむしろ制作元が作らなかった18禁シチュエーションを自由に想像してみるのこそファンの特権と言えるわけで、インターネットをちょっと見回せば、ゲーム本編に18禁シーンがないキャラの18禁CGはいくらでも見つかります。 私もそのような発想にもとづいて、前作で「輝く季節へ」の新ヒロイン清水なつきの18禁シーンを描いたのですが、今回久しぶりに18禁シーンを綾香を主役にして描くに際しては、前作のような視覚イメージ(眼鏡っ娘に顔射)先行の形ではなく、「PlayStation版の綾香シナリオに18禁シーンを挿入するとしたら、どこにどんなシチュエーションで入れてみたいか」を考えてみることにしました。 その結果はご覧の通りです。もちろんPlayStation版のゲーム本編に、こんな選択肢はありません。 完成してから改めて考えてみると、2002年10月に当サイトが18禁化した後で最初に描いた18禁作品であるこの作品も「ゲーム本編にビジュアルがない18禁シーンを想像してみた絵」という意味で、今回の作品と同じ発想に基づいていると言えるかと思います。 「ゲーム本編にビジュアルがない18禁シーンを描く」または「ゲーム本編のシナリオに18禁シーンを挿入する」案は、これら2枚以外にもまだいくつかあります。画才が枯渇する前にお目に掛けることができれば、と思います。 (2005.2.22)
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