番外日記 |
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2004年4月27日(火)
ユダの最期については、聖書でも「首を吊った(マタイによる福音書)」というのと「墜落して腹が裂け、腸が流れ出た(使徒言行録)」というのがあるわけですが、制作の参考にするために図書館で美術書を当たっていて私が見つけた2点の絵は、聖書のこの2つの記述を合わせた形で、首を吊ったユダの腹が裂けて腸が垂れ下がっている場面を描いています。私としては、そういった前例を踏襲するというよりも、むしろ今の自分が考えつく限り酸鼻かつ陰惨な場面を描きたいと思ったのでしたが、しかしちょっと考えてみると、単に首を吊っただけでは腹が裂けることはなさそうです。 どうしたら単なる首吊り死体よりも陰惨な状態になるかと考えていて、一時は「胴体の重みで首がちぎれた死体」というのも考えてみました(長 岡芳樹といえば肥満体ですから)。 しかしこれも、高層ビルの屋上から飛び降りるくらいの速度がついていないと無理でしょうし、首を吊るのに使った縄がちぎれずに首がちぎれるには、普通の縄ではなくて、橋を吊るのに使う高張力ワイヤーぐらいでないと無理です。 そういった具合にいろいろ考えていたのですが、ふと思いついたのは、首を吊った直後ではなく、しばらく時間が経った死体だとしたらどうか、ということです。 水死体や土葬された死体は、異様に腹が膨れていることがあるようです。時間が経つにつれて、腸の内容物、ひいては腸そのものが腐敗してガスが発生してくるからです。とすれば──首を吊ってから何日も経ち、内臓が腐ってガスが発生し、その圧力で腹が裂けたとすれば、首吊り死体の腹が裂けている場面が描けるのではないか、と思いついたのです。 (5月3日アップ) |
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