『困っているセリオ』 | |||
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『ToHeart』より「HMX-13セリオ」です。 | |||
当サイトの常連のお客様の一人であるなりぽしさん(「麗子となりぽしの部屋」管理者)に差し上げたCGです。 ふとした思いつきで行った懸賞つきクイズ企画は、6月7日に告知して10日に回答締切という短い期間でしたが、回答して下さった方が6名、うちじんとにっくさんと なりぽしさんの2名が正解されました。 なりぽしさんからは、リクエスト権を贈呈することをお伝えしたその場でリクエストをいただいたので、翌日からさっそくこのCGの制作に取りかかり、正味4日間で完成しました。 懸賞つきクイズの賞品にしては見苦しい背景ですが、これは私が住んでいるアパートの台所です(^^; 知美「館長、なりぽしさんからのリクエストは、どういう内容だったんですか?」 800「うん、最初は『マルチなセリオ』あるいは『はわわなセリオ』だった」 知美「…………」 800「なんだその目は。それで、具体的にどういう場面か想像できなかったからお尋ねしたら、『どじなことをしているセリオとか、上目遣いに泣いているセリオとか・・・』ということだった。だけどそれでは、あまりにもセリオのイメージと違いすぎて絵にできる自信がなかったから……」 セリオ「私のイメージ……ですか?」 800「『はわわ〜なマルチ』だったら、例えば右のラフスケッチみたいな場面が、すぐに思いつくんだが」 知美「これは…?」 800「浩之とマルチが初めて会う場面、つまり段ボール箱を抱えて階段を上っているマルチが、つまずいて階段から落ちそうになる場面。PlayStation版では、イベント場面としてビジュアルが用意されている。 だけどセリオのこんな場面は、想像できないわけじゃないが、描いたらセリオのイメージが崩れすぎる。 それで、『困った顔をしたセリオ』くらいにしかできないかもしれないと先にお断りしてから、なんとか描いてみた。もしセリオに感情機能があったら、困った時にはこんな顔をするんじゃないかと思って」 セリオ「800さん、人間のかたはどういう時に『困った』という感情を持つのでしょうか?」 800「それは人によって違うけど、一般的には、解決しなければならない問題を与えられた場面で、自分が可能な手段をいくつも試してみて、それでも解決できなかった時に『困った』という感情を持つことが多いかな」 セリオ「なるほど、わかりました。それでこれは、私がどのような問題を解決しようとしている場面でしょうか?」 800「マルチのテスト期間が終わった後で浩之の家を訪れたセリオに、浩之が『(テスト期間の最後の日にマルチが作ってくれた)ミートせんべいが食べたい』と言ったところだ」 セリオ「ミートせんべい? …来栖川の料理データベースには収録されていない料理です」 800「収録されていたら大変だって。だからサテライトサービスは利用できない。としたら次は、マルチがそれを作った時のやり方を浩之に聞くだろう」 セリオ「そうですね」 800「ところがその時のやり方を浩之に聞いて、その通りに作ろうとしても、たぶんセリオには『一流レストランに負けない完璧なミートスパゲティー』しか作れない。なぜなら、実はその時マルチは、ミートスパゲティーを作ろうとして失敗して、その結果できたのがミートせんべいだったからだ」 セリオ「そうだったのですか」 800「つまりセリオに、『失敗する手順通りに実行する』というアルゴリズムが搭載されていない限り、ミートせんべいは作れない。完璧なロボットは、逆に人間の要求に応えられない場合がある、という一種の逆説かな」 セリオ「…………複雑です」 知美「あ、あの、セリオさん……あまり深く考えないでいいですから、ね?」 800「まあ、『ミートせんべいが食べたい』っていうのは、極めて特殊な要求だろうからな。一般的な用途のために設計されたメイドロボ、それもどちらかというとビジネスユース向けのハイエンドロボとして開発されているセリオに、そんなアルゴリズムが搭載されていなくても仕方がないだろう」 知美「それにしても館長……これでマルチさんとセリオさん、両方のファンを敵に回しましたね」 800「そうかな」 知美「もう、知りませんよ。ただでさえネット上の友達が少ないのに……」 800「このくらいのCGを見て私に敵対するなら、その程度のファンだよ。そんな狭量な人間のことを気にしていて、CGの制作ができるものか」 知美「いいんですかねぇ……」 (2001.6.14)
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