『思い出の小径』 | |||
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『ToHeart』より「佐藤雅史」「神岸あかり」「藤田浩之(主人公)」です。 | |||
「ToHeart」のゲーム本編の季節は、3月3日から5月初旬にわたります。冬の間、「ONE」と「Kanon」にもとづく連作の制作を続けてきた後も、CG制作意欲が衰えることなく持続しているのを幸い、今年の春はToHeartにもとづくCGを集中的に制作することにしました。これがその第一弾です。 このCGの制作を思い立ったのは、時系列的に言えば、2003年に発売された、PlayStation版ToHeartをパソコンに逆移植した「ToHeartPSE」を買った後のことですが、題材を思いついた直接の動機は、ToHeartPSEを買ったこととは正反対で、むしろToHeartPSEおよびその元となったPlayStation版の、数少ない、また一見些細な、しかしシナリオ的な重要度を思えば決して見過ごすわけにいかない「改悪」に対する不満にあります。 最初に発売されたパソコン版ToHeartの、あかりシナリオの序盤に、このCGの題材に選んだイベントがあります。「思い出の小径」というのは私が勝手に命名したものですが、
ある日、浩之があかりと雅史に誘われて3人一緒に下校すると、商店街を通りかかった時に雅史が、幼馴染の3人が小学生だった頃、商店街からどこかへ通じる近道を発見したことを思い出します。思い出すままに3人でその道をたどっていくと、やがて道は三つ又になり、ここで3人の記憶があやふやになってしまいますが、あかりの言う通りに道をたどっていくと公園に出て、これが昔3人が発見した近道であったことがわかります。
800「しかるに、だ、PlayStation版ではこのイベントは削除されている。PlayStationが特にうるさい性的要素があるわけではないのは、私がこの絵に描いた通りだし、未成年者の飲酒や喫煙、あるいは賭博や暴力といった反道徳的要素があるわけでもないのは言うまでもない。しかも、例えば志保の夜の公園イベントのような、もっとシナリオ的に意義のあるイベントに差し替えるために削除されたというのなら目を瞑れないでもないが、代わりに設けられたイベントときたら、およそ愚にもつかない、ここに内容を書くにも値しないやりとりに過ぎない。PlayStation版ToHeartは全体的に見れば、コンシューマ移植の数少ない成功作の例に挙げてもいい出来栄えだが、あかりシナリオのこの一点に限っては、パソコン版のこのイベントの意味を全く理解していない、コンシューマ移植に際しての最も拙劣な改悪の例に挙げられても仕方がないと私は確信する。この訴えは毎日(ry」さて、公園に通じる近道の最後には、高さ2メートルほどのフェンスがありました。浩之と雅史に続いて、あかりもフェンスを乗り越えて、めでたく公園に到着となりますが、その時雅史が思い出した事は、浩之にとって幼馴染の あかりがその頃から特別な存在だったことを示唆する事でした。 知美「あそこで熱くなっている人は、放っておきましょう。私の司会で続けます」 浩之「雅史が思い出した事って、どういう事だったんだ?」 雅史「なんか浩之って、あかりちゃんの事なのに、忘れっぽくない? 僕たちが初めてこの近道を通って公園へ来た時、あかりちゃん、ここのフェンスが登れずに泣いちゃってさ…。浩之ったら、『あかりが泣くから、もうこの道は使わねーぞ』って。それからこの近道は使わなくなったんだよね」 あかり「そうそう。やっと登れるようになったのに、浩之ちゃんにまた封印されちゃった…」 雅史「だから浩之はさ、あかりちゃんが怪我したりするのが嫌なんだよ。何だかんだ言って、浩之はあかりちゃんを大事に思ってるんだよ、昔も今も」 浩之「だーかーらー、雅史ぃ、知ったような口きくんじゃねーっ」 知美「…男女の分け隔てのない、幼馴染の友達って、いいものですね……」 あかり「…なんで三津野さんが、そこでしんみりするんですか?」 知美「いえ、こっちの話です。そういえば館長は、中学高校と自宅から遠く離れた私立校に通学していたんですけど、それはつまり小学校を卒業すると同時に人間関係をリセットしてしまったようなものなので、幼馴染と言える友達がいないんですよ。そうはなりたくないものですよね」 800「……知美、言いたい放題言ってるな。あの学校を選んだのは私自身の意志だし、あの学校に6年間学んだことは私の人生に大きなプラスになったと信じているし、あの学校のOBであることを私は誇りに思っているぞ」 知美「……そういうことにしておきましょう。では館長、どうぞ」 800「ん。あかりが──あかりに限らず、短めのフレアスカートを穿いた女性がフェンスを乗り越える場面を描くとしたら、世のCG画家なら十中八九、いや100人中99人が○○○○を描くと思うが、私はいろいろ工夫して、それを描かずにこの場面を描き上げた。それを描くことを忌避するのが、ずっと前に琴音を描いた時に宣言した、私の主義だからな」 あかり「○○○○って?」 知美「神岸さん……(耳打ち)のことよ」 あかり(真っ赤)「…………浩之ちゃん、雅史ちゃん……見なかったよね?」 浩之(わざとらしく右を向く)「お、オレは、見てねーぞ……たぶん」 雅史(同じく左を向く)「僕も、見てない……と思う」 800「その点は大丈夫。CGを見ている人の視点からだけでなく、浩之と雅史の視点からも『それ』が見えないように、2人の位置や目の高さを考えて描いたから。その結果、フェンスの高さが元のシナリオにある『2メートル』より低くなった気もするが」 浩之「実際…ああいうのって、レミィみたいに、あんまり見せられると、ありがたみがなくなるからな…」 あかり「浩之ちゃんっっ!!」\(`□´メ)\ 雅史「あーあ、知ーらないっと……」 雅史「ToHeartにもとづくCGを制作するって聞いたけど、次は誰を描くの?」 800「その前に、サイト開設4周年を記念して『同級生2』キャラで制作する予定が入っているんだが。 ToHeartにもとづくCGの次回作は、5月の連休に公開を予定している。その作品では、雅史・浩之・あかりの3人に加えて志保も描くつもりだ。志保を描けば、ToHeartでシナリオのあるメインキャラは全員制覇することになるのかな、PlayStation版の綾香も含めて」 雅史「5月の連休かぁ……楽しみだね」 (2004.3.12)
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