『海の主役新旧』
海の主役新旧:
旧主役 戦艦「大和」
(大日本帝国海軍 戦艦「大和」)
海の主役新旧:
新主役 航空母艦「飛龍」
(大日本帝国海軍 航空母艦「飛龍」)
豚雲海(とうんかい)さん(「雅工房」管理者)から頂いた年賀写真です。
今年も昨年と同じように、お得意のデフォルメキャラの年賀CGと軍艦模型の写真を頂いたので、両方とも公開させていただくことにしました。
軍艦の歴史に詳しい方には改めて申すまでもありませんが、大東亜戦争以前の海軍の主役は、大砲を積んで頑丈な装甲をまとった戦艦でした。その戦艦の歴史の最後を飾るのが、軍艦の砲としては史上最大の46cm砲を積んだ、大日本帝国海軍の戦艦「大和」と「武蔵」だったのです。
しかし戦艦大和と武蔵が実戦に加わる前に、海の戦争の様相はすっかり変わっていました。20世紀に入ってから発明され、第一次世界大戦でようやく実用の域に達してきた飛行機を、帝国海軍はいち早く採り入れ、海上で戦闘機や爆撃機を発進させることができる「動く飛行場」とも呼べる軍艦、すなわち航空母艦を海軍の新たな主役に抜擢していたのです。1941年12月7日(ハワイ時間)に、「飛龍」を含む帝国海軍の航空母艦から発進した爆撃機隊が、パールハーバーに停泊していたアメリカ海軍の戦艦部隊を粉砕したことで、海軍の主役が航空母艦と航空部隊であることはアメリカ海軍の認識するところとなり、それは今のアメリカ海軍が、原子力を動力源にする航空母艦を、原子力潜水艦と並べて海軍の中心に据えていることが示すとおりです。
ちなみにアメリカ海軍は、世界で最後まで戦艦を現役の軍艦として保有し、大和と競うようにして建造した戦艦「ミズーリ」などを湾岸戦争にも参加させた海軍でもありましたが、それらの戦艦が現役を引退したことで、戦艦の歴史は完全に終わったと言えるでしょう。

(2006.1.12)
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