番外日記
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2002年7月17日(水)
神楽琴羽の病気は、心因性摂食障害の一種、過食症です。どんな病気であれ、18禁ゲームというようなメディアで取り上げるにはいろいろと、時には煩わしく感じられるような遠慮が見られるものですが、中でもこういった「心の病」を取り上げるのは難しいと思います。
キャラクター造形として見ると琴羽は、見かけ上ヒロインたちの中では比較的年長で年齢的にも裕作に最も近い(あくまでも「見かけ上」ですよ)というところから、裕作と琴羽の関係は、終盤近くまで裕作と大気が「兄妹」、裕作と白風が「医師と患者」であるのに対して、ごく初期のうちから裕作の心の中に「医師と患者ではなく、男性と女性」という意識が生まれてくるのが、大気または白風のシナリオとの大きな違いです。初めは診療所のスタッフに対して心を閉ざし続けている琴羽の側にも、裕作に対して「医師ではなく、同年代の男性」という意識が生まれてくるのが中盤で、琴羽シナリオに確定する直前の選択で「君のことは患者の一人と思っている」とそれを否定すると、それまでの好感度に関わりなく、はいさようなら、となるわけです。もっとも好感度が足りないと「僕も君のことが好きだ」と言っても琴羽に拒否されて、もっと寒々しいバッドエンドに転落しますが、攻略本を見ながらそれを自ら試してみた私って、人としていかがなものでしょうか。
裕作と琴羽の関係が、医師と患者の関係でなくて男女の関係、言い換えれば愛情関係になっても、それですぐにハッピーエンドにはならず、そこからまた一波乱あるのは、これもお約束でしょう。もっともその段階に来ればもう選択はなくて、ハッピーエンドが約束されているわけですが。
今のところ(7月23日時点)、医療ドラマとして見た場合にはシナリオ的に最も無理がなく、愛情ドラマとしてもうまくまとまっているという点で、私としてはいちばん気に入ったシナリオです。裕作と琴羽の間を結ぶのは、まさしくキューピッドのような少女 前田久美ですが、それもまた微笑ましい(あーそこそこ、変な意味に取らないように)です。二人の関係が変わった段階で、相手の呼び方が「神楽さん/松井さん」から「琴羽/裕作さん」に変わるのも、芸が細かいです。
(7月23日アップ)

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