番外日記
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2001年12月5日(水)
初めのうちなかなか緒方理奈シナリオに入れなかったのは、このゲーム、普通に流していると森川由綺のルートに入りやすくなっているようなのです。今回の私のプレイでも、クリスマスイブの夜は英二あるいは弥生に送られて家に帰るのではなく、由綺と二人でテレビ局を抜け出して、由綺のマンションで一夜を過ごす、つまり由綺ルートの流れに乗っていました。でしたから年が明けてからは、テレビ局でアルバイト中に由綺を見かけても、わざと「声をかけない」で理奈のイベントを待つという、いささか変な方針で行くことになりました。
理奈は緒方プロダクションに属する、仕事の上では由綺の先輩です。そして由綺と冬弥の間柄も知っていますから、初めのうちは仕事の上で冬弥との関係が進んできても、それを恋愛とは意識せず、むしろ兄の英二が(プロデューサーとタレントという関係を越えて)由綺と親しくなっていくことを警戒して、冬弥と由綺の間を取り持とうとしているように見えます。それが終盤に至って急展開し、最後には由綺に「私、冬弥君が好きなの」と打って出る。
しかしそこまでの理奈の心理が、他の女性のシナリオほどにはうまく描き出されていないような気がします。理奈一流の演技、冬弥に対してさえも完璧に自らを欺き続けた演技によって、「女性の苦悩がわかってしまう主人公」であるはずの冬弥が、理奈の心理を見抜くことができなかったのだとしたら、これはある意味、一人称で描かれたシナリオの限界と言えるでしょう、「主人公に見える物しか描くことができない」という。
主人公の目に見える物しか描くことができないという点では、この結末とその後、英二がどうなったのか、という疑問も残ります。エンディングでは理奈が突然引退してしまった後、英二と由綺の関係がどうなったのかはほとんど触れられていませんから。
理奈が「由綺の前に居たたまれなくなって(というのは私の推測ですが)」芸能界を引退してしまうというエンディングには、他のシナリオとは違う痛ましさを感じました。この形の結末は芸能人がヒロインになるゲームにはよくあると思うのですが、同じように芸能界引退の形になる「同級生2」の舞島可憐エンドを、承服しがたいと言っていた人がいたのを思い出しました。途中では冬弥に向かって「緒方理奈の恋人なんて烙印を押されちゃうのよ!/アイドル緒方理奈の恋人だって!いいの、それで!?」とまで言っていながら、英二が言うところの「森川由綺」の恋人であることに耐えてきた冬弥が理奈の恋人になるや否や、自ら「緒方理奈」であることを止めてしまうことに、割り切れないものを感じました。

これは余談というか揚げ足取りです。大晦日に理奈が冬弥のアパートを訪れた時、理奈は「由綺」の話をしているのに冬弥は「雪」と勘違いして受け答えするという、息抜きの一幕がありましたが、最初からこの漫才をやらせるために冬弥の恋人を森川由綺という名前にしたのでしょうか。私が東京方言で発音する場合、「きをふ(由綺を振る)」「ゆる(雪が降る)」と発音しますから、これを聞き間違うことはないような気がするのですが。
(12月6日アップ)

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