番外日記
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2001年8月27日(月)〜28日(火)
第1編「いつも気になるアイツ…」あのトラブルメーカー美亜子を、冴子はやっぱり嫌いになれない。ほとんど全てのギャルゲーは男性主人公の視点から描かれていますから、女性キャラの心理描写はサブシナリオならではです。途中に選択肢が全くなく、最初から最後まで冴子が朗読しているという感じで、これこそビジュアルノベル、と言ってしまうと語弊があるでしょうか。
第2編「たった一つの冴えたやり方」健一(真奈美の弟)の、乃絵美への淡い初恋。本編では全く見せ場のない健一の、中学生らしい不器用な振舞の描写がなかなか奮っています。真奈美シナリオでは憎まれ役の柴崎ですが、乃絵美との絡みでは、彼にも悩み苦しみがあることが偲ばれて、少しだけ見直しました。こういうフォローもサブシナリオならではでしょう。
第3編「ロマンスは月影のため息」題名に惑わされてはいけません。サブシナリオ中で唯一、破滅的に逝ってます。天都先生の夜の姿が義賊セイントエンジェル、チャムナと真奈美がミャンマーに伝わる世紀末最終奥義ムェ・カッチューアの伝承者……。真奈美が学園制服で回し蹴りを放つシーンをPlayStationに移植するに当たっては、さぞかしパンチラ禁止規定を恨んだことでしょう。
ですがWindows版のマニュアルの後ろの方を読むと、この逝ってるシナリオは、企画段階で星の数ほど生まれて消えたボツシナリオの一つだったらしいです。PlayStation版のタイトル(絆という名のペンダント)も、いくつかあった仮題の一つだったとか。
第4編「とどけ!この想い」ヒロインは橋本みよか。というといきなり引きそうですが、憧れが恋に変わり、些細なことに一喜一憂しながら次第に希望を確信に変えていく道のりを歩む、心理描写の彫琢は見事です。みよかの友人とされている乃絵美も、いい役どころです。まあ、みよかの恋の対象が冴子であるところが、かなりアレなのは致し方ないでしょうか。
(8月30日アップ 11月8日分離)

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