『なれそめ』
なれそめ:
俺はよっと背伸びし、棚から本を抜き取ると、それを女生徒の前に差し出した。 
「……」 
女生徒は、きょとんと間の抜けた顔で俺を見つめつつ、本を受け取る。
『ToHeart』より「藤田浩之(主人公)」「保科智子」です。
ソフトメーカーとしての(株)エルフが『同級生2』発売の頃に比べて低調気味に見えるのと軌を一にしてか、エルフ系のファンサイトがこのところ一時期の勢いを失いつつある観があるのに比べて、リーフが『ToHeart』の発売以来旭日昇天の勢いにあるのに合わせるように、リーフ系のファンサイトの活動は活発です。
そんなファンサイトの一つ、「いいんちょ普及委員会 保科智子Fan Club」を、3月中旬のある夜、チャット中にふりんとぶらっくさん(氏はファンクラブの会員だそうです)に紹介してもらったので、少し経ってから巡回してみました。
……ディープでした(笑)。
アクセスして1分後には、創作意欲を強烈に刺激されていました。
ファンクラブへの入会をすぐに考え、入会の手土産にふさわしいCGの1枚も描こう、という気が澎湃として湧き起こってきたのです。
入会にふさわしいCGとなれば、ここはやはり主人公と「いいんちょ」のなれそめの場面でしょう。
そうと決めて、セーブしたしおりを探し出し、制作の参考にするために軽くさらいました。
それから、原画を描き、スキャンし、修整して仕上げるまで2時間。
私のCGの中では、制作時間の最短記録です。
智子「そらぁあんた、ゲームからPrintScreen使うて吸い出した画像を加工すれば、あっとゆう間やん」
800「失礼な。ゲーム画面は参考にしただけだ」
知美「どうですかね、所長。背景は図書室、保科さんは校門イベント、藤田君は放課後の教室で机の上に座っている男子生徒、それをPrintScreenしたのを3枚デスクトップに並べて、それを見ながら原画を描いたんでしょうが」
800「ふ、ふん、PrintScreenしたのは事実だ。だけど原画は、一から手で起こしたんだからな」
智子「ま、それは信じたるわ。私の顔の輪郭とか、元のゲームとだいぶ違うてるし」
ファンクラブへの入会は、考えるところがあって一時保留していますが、今後ToHeartキャラのCGの制作が、比重を増していきそうな気がします。
智子「おおきに。せやけど、まだ私とゴールインしてへんのやて?」
800「サイト開設の準備が忙しくてね。このCGだって3月28日に完成していたのに、コメントを書くのが間に合わなくて、4月1日のサイト開設時には公開できなかったんだ」
智子「サイトは開設してからの維持管理の方が難儀やけど、気張りや。
 せやけど何で、私のファンクラブに入らへんの?」
800「話すと長くなるし、多少差し障りがあるので」
智子「いけずやなぁ」
知美「所長って、そういうところが……なんですよね」
800「何とでも言いたまえ」
(2000.4.2)
補足:
上記のコメントを書いた後、4月15日に私はファンクラブに入会し、このCGと詩「保科智子に捧ぐ」を寄贈しました。
(2000.4.16)

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